
韓国が「脱・日本依存」を掲げて推進してきた素材・部品・装備分野の輸入構造が、結果として「中国依存」に傾いている実態が明らかになった。日本の輸出規制以降に進められた供給網の多角化が、中国からの輸入拡大につながり、現在では主な輸入品目の約3分の1で中国依存度が50%以上となっている。
韓国国会の産業通商資源中小ベンチャー企業委員会に所属するイ・ジェグァン議員(共に民主党)の議員室が、産業通商資源省から入手した資料によれば、2024年に輸入額が1000万ドルを超えた素材・部品・装備品目1575種のうち、472品目が中国からの輸入に50%以上依存していた。
また、特定国への依存度が50%以上となっている全842品目のうち、実に過半数を中国が占めていた。韓国が昨年輸入した素材・部品・装備全体の品目数は4278件だが、その中でも輸入額1000万ドル以上の1575品目は、輸入額全体の97.6%を占める重要なコア品目である。
さらに、特定国への依存度が90%以上という、代替が困難な品目156件のうち、97件が中国からの輸入に偏っており、構造的なリスクが浮き彫りになっている。
この傾向は過去5年の統計でも確認できる。素材・部品・装備分野の対中輸入依存度は、2020年に554億ドル(27.7%)、2021年721億ドル(28.8%)、2022年803億ドル(30.1%)、2023年759億ドル(30.9%)、そして2024年には748億ドル(29.8%)と、概ね30%前後を維持している。
一方、日本からの輸入依存度は下降傾向にある。2020年には341億ドル(17.1%)だったが、2021年には393億ドル(15.7%)、2022年396億ドル(14.9%)、2023年342億ドル(13.9%)、そして2024年も13.9%に留まり、日本への依存度は減少している。
これは、2019年に日本政府が韓国に対し、半導体素材の輸出を規制したことを受けて、韓国企業が日本依存を脱却しようとした動きの中で、中国からの代替輸入が急増した結果とみられる。特に2020年から2021年にかけては、中国からの素材・部品・装備輸入額が前年比で30%も増加しており、この流れを裏付けている。
しかし、米中対立が激化する中で、特定国への過度な依存は依然として大きな課題である。イ・ジェグァン議員は「グローバル供給網をめぐる覇権競争が激しさを増す中、海外依存度を下げ、国産化を通じて競争力を強化する戦略が必要だ」と訴えている。
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