Startup Story ~~ 成功のカギ
ブライトベリー(Brite Belly) キム・ジヒョン代表
◇多彩なソース
ブライトベリーのもう一つの強みは自主的に開発した「ソース」だ。
ジャージャーソースから麻婆、カレー、コチュジャン、ラザニア、トマトソースなど10種余りに達する。いずれも植物性原料を使用して健康を守りながらも食べ物の味を美味しくする役割だ。キム代表の説明はこうだ。
「植物性の食事の大衆化のため、消費者に、より広い菜食の選択権を差し上げています。健康的な食事を楽しむという多くの人が、さらに大きな変化をもたらすという哲学で取り組みを続けていき、植物性の食事の選択幅を増やしていきたいです」
◇ESGの価値取り入れ
韓国農水産食品流通公社によると、韓国代替肉市場の規模は、今年1930万ドル(252億ウォン)から25年2260万ドル(295億ウォン)へと成長が予想される。グローバル市場の成長の勢いはさらに速い。2025年は今年より40%以上成長の110億3310万ドル(約14兆ウォン)と推定される。
韓国の食品大手企業も代替肉市場の開拓に死活をかけているなか、ブライトベリーは消費者の好みに合う植物性食品に対する迅速な研究開発(R&D)で勝負に出た。キム代表は「1年間で、こんなに多くの製品を出した例は珍しい」と振り返る。
同社では職員の中で最も多くの割合を占めるのが研究開発チームだそうだ。代替肉がおいしくなるようにする技術、代替肉で作った食べ物を調理し、便利に食べられる簡便食品技術など、大きく2つに集中しているという。
技術自体にもESG価値を入れた。「企業が植物性食品、代替肉を扱う最も大きな理由がESGです。食品工場から出る汚染物質は非常に多い。われわれは環境にやさしい工程の技術も備えています」。キム代表はこう強調した。
◇少しずつ炭素排出を減らして
ブライトベリーは、米国やドイツ、シンガポールなどグローバル進出も推進している。これらの地域でK-フードブームが起きており、植物性アジアンフードの需要をブライトベリーの目標市場としてとらえようとしている。
キム代表は、より多くの植物性レシピ(料理法)を開発し、毎日、植物性の食事が可能な日常を作っていく、という目標を掲げる。「なにも特別な食べ物ではなく、週7日、毎日食べられるモノをつくるだけです」と強調した。
「4人家族が1週間に1日、肉を食べないだけで、3カ月にわたって車に乗らないのと同じ環境保護効果を出すという研究があります。100%代替できなくても、代替肉は少しずつ炭素排出を減らしていく小さな進展になるでしょう」
キム代表はこう思い描く。
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