2026 年 1月 9日 (金)
ホーム社会「美しい国」の墜落、繰り返される命の犠牲…入管の強制取り締まり、今こそ見直しを

「美しい国」の墜落、繰り返される命の犠牲…入管の強制取り締まり、今こそ見直しを [韓国記者コラム]

ソウル駅前の広場に設営されたトゥアンさんの追悼の場(c)news1

「トゥアンにとって韓国は常に美しい場所でした。ベトナムで高校に通っていた頃から、韓国で勉強するのが夢だったのです。学業を終えた後はベトナムに戻り、韓国企業で働きたいと考えていました」

韓国で昨年10月28日、法務省の強制取り締まりを逃れて隠れていたところ、3階の高さから転落し死亡したベトナム人移住労働者の故トゥアンさんの父、ブ・ヴァン・スン氏は、news1のインタビューでこのように語った。

憧れの国で留学し、キャリアを積んで民間の架け橋になる――そんなトゥアンさんの「コリアンドリーム」は、恐怖の中で失墜した。

強制取り締まりの弊害を扱った企画記事を書いた後、「では、誰が法を破って不法滞在しろと言ったのか」「なぜ我が国に来て分裂を引き起こすのか」といった反応が相次いだ。

こうした主張は「自業自得」レベルの思考から抜け出せていない。一人が不法な状態に置かれることになった理由を個人の選択としてのみ縮小し、構造的な責任を消し去ってしまうからだ。

強要は物理的な形でのみ現れるわけではない。昨年2月に大学を卒業したばかりで大学院進学を控えていた留学生に対し、滞在の踏み台となるビザが不在の中、生計費と弟の学費を補わなければならないという長女の責任感ゆえに、トゥアンさんは工場へと向かった。

殺伐とした環境よりも脅威的だったのは、過度な行政だった。名簿に記された未登録移住労働者を一人残らず探し出すという政府の取り締まり方式は、トゥアンさんにとって間接的な「ナイフ」となった。故人が友人に残した最後のメッセージの一つは「息苦しい」という文章だった。

求職ビザが許可する範囲外の労働をしたことは不法だ。だが、死ななければならない罪ではない。過去22年間の強制取り締まり中に、少なくとも25人の死亡者と32人の負傷者が発生した。強制取り締まりは処罰ではなく行政の領域である。繰り返し生命を脅かす強制取り締まりは「行政権によって侵害される基本権が公益より過度であってはならない」という比例の原則に違反する。

法務省と大邱(テグ)出入国事務所による遺族への謝罪が本心であるならば、今からでも事件当時のボディーカムと撮影した映像のすべてを遺族側に提供すべきだ。トゥアンさんの遺体を発見するまでの過程と、発見後の処置のタイムラインを公開しなければならない。真相究明委員会の協力要請に応じるべきだ。

強制取り締まりに関連する成果指標にも変化が必要だ。取り締まった「数」のみを成果として評価した既存の方式に加え、過程の適法性まで問わなければならない。法務省は独自のガイドラインを通じて、取り締まり対象者の被害を最小化し人権を順守するよう勧告していると弁明するかもしれない。しかし、現場で守られない形ばかりの勧告は、空念仏にすぎない。

トゥアンさんが世を去ってから約70日。韓国が恨めしい国ではなく美しい国として記憶されるためにも、これ以上の墜落(転落死)があってはならない。【news1 クォン・ジニョン記者】

(c)news1

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