2024 年 12月 5日 (木)
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「練炭の価格が上がり、長い冬が心配」…寒波に苦しむ韓国のエネルギー弱者

アン・ヨンエさん(c)news1

「練炭を見るたびにため息が出ます。今年の冬は寒さが長引くそうですが、どう過ごせばいいのか心配です」

韓国全羅北道完州郡三礼邑は11月29日、朝の最低気温が氷点下3度まで下がった。「エネルギー弱者」のアン・ヨンエさん(72)は自宅の倉庫に積まれた練炭を見て、深いため息をついた。

アンさんは知的障害を持つ娘と2~3坪ほどの小さな家で暮らしている。しかし家の壁は古く薄いため、冷たい風を防ぎきれず、室内には冷気が満ちていた。外から吹き込む寒風をしのぐにはあまりに頼りない。

今冬は寒さが長く、厳しくなる。こんなニュースに、アンさんの不安は増すばかりだ。特に練炭の価格が、昨年までの1個平均800ウォン(約88円)から今年は約900ウォン(約100円)まで上昇していることが大きな負担となっている。

アンさんは裁縫の仕事で得たわずかな収入で生活を賄っている。一方、3級の知的障害と診断された娘は近隣のカフェで働いているものの、娘の給与はすべて将来の結婚資金として貯蓄しているため、生活費には充てられていない。

このような状況で練炭の価格上昇は、アンさんにとってさらに重い負担となっている。

「冬になると暖房費の負担が大きいです。特に今年は寒くなるのが早く、昨年よりも練炭を早く使い始めた気がします。寒さを我慢しようと思いましたが、娘が寒さに弱いので、この冬をどう乗り切るか悩んでいます」

アンさんはこう明かした。

アンさんが娘と共に冬を乗り切るためには、少なくとも1300個の練炭が必要だ。しかし現在、倉庫にある炭は、町役場や「全州練炭銀行」から支援を受けた600個だけだという。

「練炭銀行のおかげで600個ほど支援を受けましたが、それだけでは冬を越すには足りません。それでも寒さや飢えに負けず、笑顔を忘れないよう努めています」

全州練炭銀行によると、全羅北道内で練炭を使用している家庭は約5000世帯。そのうち全州市内では約300世帯が練炭を使って冬の寒さをしのいでいるという。

しかし、寒波の中で生活を支えるエネルギー弱者の増加に対して、支援の拡大が求められている。練炭の価格上昇や暖房費負担の問題が深刻化する中、地域社会や行政、慈善団体のさらなる協力が必要だと指摘されている。

(c)news1

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