漫画や雑誌、写真などの紙媒体形式の性搾取物に対しても、児童・青少年性保護法を適用する――こんな法案が最近、韓国国会で発議された。
児童・青少年性保護法でいう「性搾取物」は、児童・青少年として明確に認識される人物や表現物が登場して、わいせつな行為をする内容を含む。現行法では、動画やゲームなどオンラインで流通するデジタルコンテンツが対象となっているが、紙媒体についての規定は曖昧だった。
野党「共に民主党」のチョ・ゲヨン議員=国会女性家族委員会所属=は8日、同法の一部改正案を代表発議した。この改正案では、印刷物として流通するイラストや写真、漫画、画報なども性搾取物として明確に規定することを提案している。
この背景には、紙媒体で流通する性搾取物の取り締まりが困難だった現行法の課題がある。昨年5月、未成年キャラクターの裸を描いた漫画やグッズが展示された「子どもランチセット事件」では、同法が適用されず、代わりにわいせつ物頒布罪が適用されたことが議論を呼んだ。
チョ議員の事務所関係者は「現行法ではフィルムやビデオなど通信媒体を通じた映像形式のみが性搾取物に該当している。紙媒体の流通が規定外であるため、処罰が困難で、被害を受ける子どもたちを十分に保護できなかった」と指摘する。
改正案では、印刷物における性搾取物を法的に明確に規定し、これを制作・流通・消費した者を処罰することを目指している。一方で、創作者の表現の自由を侵害する懸念も挙がっている。
30代の会社員は、国会議案情報システムで「漫画やイラストは子どもと大人の区別が曖昧な場合がある。事前検閲によって表現の自由が萎縮する可能性がある」として、法改正に反対する意見を示した。
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