
韓国全羅南道羅州市のレンガ工場で、スリランカ国籍の30代移住労働者がビニールひもで縛られ、レンガと一緒にフォークリフトで吊るされた事件。
被害を受けたのはスリランカ人男性で、加害者は同じ職場で働く韓国人男性。スリランカ人男性をフォークリフトに吊るした理由について、韓国人男性は警察の取り調べに「仕事を教えろと指示したら、スリランカ人男性が“ふっと笑った”のでそのような行動を取った」と供述した。韓国人男性はその“笑み”に侮辱されたと感じたという。
一方、スリランカ人男性は「笑っていないし、そもそも上司の言葉が理解できなかった」と反論。事件当時は何が起きているのか分からず、「フォークリフトに縛られて非常に恐ろしかった」と語っている。
人権団体「全羅南道移住労働者人権ネットワーク」は「仮に笑ったとしても、韓国語に不慣れな移住労働者がどう反応すべきか分からなかったのだろう。これは明らかな移住労働者に対する理解不足の表れだ」と非難した。
スリランカ人男性は事件以降、腹痛や嘔吐、不安障害などの症状を訴えている。その後も工場内で嫌がらせが続いたため、韓国国内の親族やスリランカ人支援団体に助けを求めた。
現在、スリランカ人男性は市民団体の支援を受けて全羅南道内の宗教施設で生活しているが、不安定な心理状態が続いており、食事も十分にとれない状況だという。
このような状況を受け、韓国政府と全羅南道当局も支援に乗り出した。全羅南道関係者は「労働環境の良い企業がスリランカ人男性の採用に意欲を示しており、28日に企業を訪問し、就業について協議する」と明らかにした。
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