韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)次期政権の青写真を描く大統領職引き継ぎ委員会の委員長に、IT分野の専門家であるアン・チョルス(安哲秀)「国民の力」代表が就任し、科学技術界の期待が高まっている。
ユン氏は13日、国民の力の党本部で開いた記者会見で「アン・チョルス委員長は、私と国政運営価値と哲学を共有している。引き継ぎ委を率いる意志があり、私も適任者と判断した」と指名の理由を明らかにした。
アン委員長は14日、国会で開いた記者懇談会で、次のような見解を示した。
「かつてパク・チョンヒ(朴正熙)大統領が経済開発5カ年計画で作った重化学工業、鉄鋼、造船などにより、われわれは1980年代から1990年代まで20年間暮らしてきた」
「キム・デジュン(金大中)大統領が超高速インターネット回線を敷いてベンチャーブームを起こしたおかげで、私たちは2000年代、2010年代の20年間暮らしてきた」
そのうえで「次の大統領は第4次産業革命時代を先導し、未来の新しい稼ぎ手となる産業、未来の雇用の基盤を必ず作り出さなければならない」と強調した。
まず、科学技術界の宿願である「科学技術副首相」制度復活の可能性が大きくなったという観測が出ている。
科技副首相制はかつてノ・ムヒョン(盧武鉉)政権の時にできたが、イ・ミョンバク(李明博)政権の際に廃止された。科学技術13団体が集まった大韓民国科学技術大連合(大科研)は今年1月、声明を通じて「次期政権は科学技術副首相制を復活させるべきだ」と強く求めている。
さらにアン委員長は、研究者100万人養成、研究開発管理システムの改善、ポジティブ方式の規制撤廃などを提示したことがあり、今回の引き継ぎ委員会でどれだけ実現されるかに関心が集まっている。さらに、次期政権の初代科学技術相に、アン委員長の側近で女性科学者のシン・ヨンヒョン前議員が有力視されている。
シン前議員は2016年の総選挙当時、アン氏が国民の党に迎え入れ、党の比例代表1位として国会入りした人物だ。女性物理学者で、女性として2番目に韓国標準科学研究院長を務め、大韓女性科学技術人会会長、韓国科学技術団体総連合会副会長などを務めた。
©news1