2026 年 2月 19日 (木)
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「科学五輪」金メダル常連・韓国、裏では資金難…「自国開催」に立ちはだかる壁

国際科学オリンピック代表団から記念額を受け取り、記念撮影に応じるイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)NEWSIS

「科学界のオリンピック」と呼ばれる国際科学オリンピックの開催を控え、韓国の基礎科学界が予算不足に直面している。国際大会で常に金メダルを量産してきた実績とは裏腹に、いざ自国開催となると財源確保に苦しむ構図だ。

科学技術関係者によると、韓国は2029年に国際天文・天体物理オリンピックを初めて国内で開く方向で海外側と調整を進めている。実現すれば初の主催となるが、開催費用の確保が大きな課題となっている。2026年5月に国内で開く予定のアジア物理オリンピックも、参加生徒の宿泊費確保に苦慮し、大会規模の縮小を余儀なくされた。

国際科学オリンピックは20歳未満の各国代表が数学、物理、化学、生物、情報など基礎科学分野の実力を競う大会で、50~60カ国から約500人が開催国に集まり、約1週間滞在して試験に臨む。韓国は毎年、全分野で出場者全員がメダルを獲得するなど、圧倒的な成果を上げてきた。

大会は各分野の国内学会が主管し、科学技術情報通信部が韓国科学創意財団を通じて予算を支援する。不足分は民間企業の協賛に頼る。サムスン電子は国際数学・物理オリンピックを、サムスンバイオエピスとサムスンバイオロジクスは国際生物オリンピックを、ハンファ生命は国際情報オリンピックを支援してきた。

国際天文・天体物理オリンピックは2007年に始まったが、約19年が経過した現在も韓国は主催経験がない。韓国天文学会の関係者は「経済規模を考えればもっと早く開催していてもおかしくなかったが、さまざまな事情で実現できなかった。国際連盟側からも韓国で開く時期だとの提案を受けている」と説明する。

最大の壁は予算だ。規定により各国代表団は約2000ユーロの参加費を負担するが、それ以外は主催国が賄う必要がある。会場費、試験問題作成や機材準備、1週間分の宿泊費・食費などを含め、約30億ウォンが必要と見積もる。創意財団からの年間約2億ウォンの支援は代表選抜や教育に充てられ、開催費用とは別枠で確保しなければならない。

学会側はこれまでに必要額の半分程度を工面したが、なお約10億ウォンが不足しているという。政府支援だけに頼れず企業にも協力を求めているが、純粋科学色の強い天文学は数学や生物分野に比べて企業の関心を引きにくい。宇宙産業との関連はあるものの、多くは小規模スタートアップで支援余力が限られる。

一方、2026年5月に釜山(プサン)で開くアジア物理オリンピックも厳しい。予算は約5億2000万ウォンだが、当初想定より物価が上昇し、会場費や宿泊費の負担が重い。このため会場を展示コンベンションセンターから市内大学の講堂に変更した。韓国物理学会のユン・ジニ会長は「当初20億ウォンと見込んだ開催費を14億ウォンまで圧縮したが、参加生徒の宿泊環境だけはこれ以上切り下げられない」と語る。アジア約30カ国から約300人の生徒と引率者が参加する予定だ。

学会は2024年初めに約5億ウォンを要請したが、その後の物価変動を受けて追加で約4億ウォンを求めたものの認められなかった。開催まで3カ月を切り、地方自治体や企業への働きかけを急いでいる。開催地の釜山市は5000万ウォンの支援を決めた。

こうした問題を繰り返さないため、開催決定前に学会と政府が十分に協議する制度を整えるべきだとの指摘も出る。現在は学会が大会誘致を決めた後に関係機関へ通知する仕組みで、予算を管理する側が準備する時間が限られる。創意財団の関係者は「国家の地位に見合う大会を成功させたいという思いは学会も政府も同じだ。誘致前に協議する手順があれば、より効率的な運営が可能になる」と話している。

(c)MONEYTODAY

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