2026 年 6月 9日 (火)
ホーム社会「私の最後の家まで奪うの?」認知症の夫を1人で介護した70代母…韓国・実の娘2人からまさかの相続訴訟

「私の最後の家まで奪うの?」認知症の夫を1人で介護した70代母…韓国・実の娘2人からまさかの相続訴訟

(c)news1

認知症の夫を数年間にわたり1人で介護した70代の女性が、夫の死後、2人の娘から相続訴訟を起こされたという切実な訴えが寄せられ、韓国で関心を集めている。

法律相談番組「チョ・インソプ弁護士の相談所」によると、この女性は亡くなった夫が残したマンションと退職生活給与金を巡り、実の娘2人から財産分割を求められた。女性は「最後の生活の拠点まで奪われる危機にある」と悔しさをにじませている。

小学校教師だった夫と4人の子どもを支えてきたという女性は、倹約してためた資金で自ら不動産投資や管理を手がけてきた。夫の校長退職後は平穏な老後を期待していたが、夫は退職直後に認知症を発症。女性は昼夜を問わず1人で介護を続けてきたという。

夫が亡くなった際、残された財産は多くなかった。夫は生前、先祖代々の墓がある山と墓田を「墓を守るため」として2人の息子に譲っていた。一方で、結婚後に行き来の少なかった2人の娘には事前の財産分与はなかった。このため、夫の死後に残ったのは、女性が現在暮らすマンション1戸と、韓国教職員共済会から支給される退職生活給与金のみだったという。

夫は生前、退職生活給与金の受給権者を妻である女性に指定しており、女性は夫の死後、これを生活費や医療費に充てていた。しかし夫の死後、2人の娘の態度が一変。マンションを譲るよう要求し、女性が「自分が死ぬまで暮らす最後の家だ」と拒否すると、娘たちは「相続財産分割審判」を申し立てた。娘たちは夫が妻のために残した退職生活給与金まで相続財産として分割するよう主張しており、女性は「生涯子どもを育て、財産を築き、夫を1人で介護してきたのに、法的に認められることはないのか」と途方に暮れている。

この事案について番組のキム・ミル弁護士は、夫名義のマンションは相続財産の分割対象になり得ると指摘。一方で、夫が生前に妻を受給権者に指定した退職生活給与金については、相続財産ではなく受給権者個人の固有財産とみなされるのが一般的だとした。また、2人の息子に譲渡された山や墓田は、実際に祭祀や墓の管理目的が認められれば、相続財産から除外される可能性があると説明した。

ただ、女性が長期間にわたり夫を介護し財産を管理してきた点については、寄与分として法的に認められるのは容易ではないと付け加えた。娘たちが申し立てた相続財産分割審判は残った財産を分ける手続きだが、過去の生前贈与によって自身の相続分が不足していると判断される場合は、遺留分返還請求に踏み切ることも可能だと助言している。

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