韓国釜山市(プサンシ)影島区(ヨンドグ)にあるホームレス自活施設が、住宅街に新築移転を推進するやいなや、近隣住民の反発が強まっている。なかにはニンビー現象に飛び火するのでは、という懸念も出ている。
釜山市と影島区が明らかにしたところによると、大橋洞(テギョドン)にあるホームレス自活施設の委託機関が変わり、従来の施設から約1.3キロ離れた新仙洞(シンソンドン)への新築移転が進められている。
影島ホームレスの自活施設は1998年から運営されている。当時、韓国では通貨危機により失業者が急激に増え、ホームレスとなった人たちがここを主に利用したという。現在49人の定員に18人の男性ホームレスがここで宿泊と就業相談を受けている。
施設が老朽化し、整備の必要性が高まると、市が環境整備能力を備えた新しい委託機関を公募した。そこで選ばれた新しい受託機関が施設移転を推進している。
問題は、移転する場所が住宅街に隣接しているため、住民の反発が激しいという点だ。住民(40代)は「ホームレス施設を利用する人は放蕩者といううわさがある。前科者もまれにいる。断固反対する」と述べた。また別の住民(40代)は「近くに女子中学校もあり、自分の子供が被害を受けた場合、国が責任を負うのか」と問い詰めた。
区の関係者は「住民たちの不安要素は理解できなくはないが、この施設を利用するホームレスの方々は就職を準備したり、実際に在職したりしている方々で、危険な要素はない」と述べた。
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