――梨花女子大に在籍していた当時、「児童・青少年のオンラインコンテンツ出演は遊びではなく労働」と表現したことがある。これについて説明してほしい。
チョン院長 映像では児童が遊んでいるように映るが、実は遊びではないかもしれないという意味だ。児童が放送に出演するのは明白な収益創出行為であるため、多様な指針が整えられている。半面、ユーチューブなどの映像は製作環境が表に出ず、親が作る場合も多い。そのため児童虐待が発生する可能性が非常に高く、より危険だ。
児童が出演するオンラインコンテンツは、労働の要素がたくさんある一方で、遊びの要素はほとんどない。われわれの研究チームは「児童主導性」「無目的適性」「遊びの促進性」「時間・場所の適切性」を調べたが、4つの条件を全て満たす映像は一つもなかった。
――最近、親が「育児ブイログ(Vlog)」などで子どもをSNSに露出させる事例が増えた。親が子どもに関するコンテンツをネット上に公開する「シェアレンティング(Sharenting)」という用語まで登場した。これに対してどのような立場か。
チョン院長 シェアレンティングは元来、「子どもの成長過程を見守る」という意味だ。言葉は素敵だが、映像を親が持っていることと、他人に公開するのは、基本的に違う。後者の場合は、子どもの安全と、その子が成長した後に抱く感情までを考えて公開すべきだ。ところが、しばしば「自然に作る」という理由で映像を無分別に撮影してアップする事例がある。
映像はいったんアップすると、削除・管理がとても難しい。個人情報保護委員会で「忘れられる権利」を強調し、さまざまなモデル事業や映像削除支援を手掛けているが、「後で消すことができるので、その時になってから考えよう」というのはあまりにも事後的で、危険だ。
――韓国が特殊なのか、世界的な傾向なのか。
チョン院長 世界的な流れといえる。親は子どものことを公開したいのかもしれない。ところが児童の肖像権を尊重せず、一部ではなく、すべてをアップするのが問題だということだ。
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