養子縁組機関は当時、海外養子縁組の肯定的な側面だけを誇張して説明し、縁組を勧めたが、これは現実的ではなかった。
研究チームが海外養子658人を対象に実施した調査によると、33.5%は相手の家庭で虐待を経験した。
調査対象者の約70%以上が、韓国の養子縁組機関は海外養子の人権を十分に保護していないと答えた。
さらに、一部の生みの親は、自分の子供を機関の担当者に引き渡しながらも、その子供が海外に養子縁組することを知らなかったケースもあった。養子縁組機関が子供を預ける生みの親に海外養子縁組が何であり、自分と子供にどのような変化をもたらすのかを説明していなかったためだ。
出産した後、すぐ子供を海外へ養子に出したことになっていたあるシングルマザーは「うちの子は1973年5月11日生まれだが、当時海外養子縁組の話は聞いたことがない。私は子供が国内の孤児院に送られたと思っていた」と話した。
◇朝鮮戦争後、海外養子縁組約20万人
養子縁組機関は成人した後、子供に会えると約束したが、ジョシュアさんのように実際に両親に会えるのは非常に珍しい。
保健福祉省の統計によると、朝鮮戦争(1950~53年)後に養子縁組された約20万人のうち、両親を捜し出すことができたのは、わずか3%だった。当時の状況を考えれば、ジョシュアさんのように道に迷った後、海外に送られた子どもも相当数いると見られる。
特に海外養子縁組後、子供と自分の人生がどのように変化するか、生みの親として自分にはどのような権利があるかについて、全く知らされないまま決定された場合がほとんどだった。このため、実の親は子供を守れなかったという罪悪感にさいなまれ、耐え難い悲しみと苦痛の時間を経験した。
生まれた直後から30年間再会できなかったある生みの親は、次のように話し、涙を拭いた。
「一人で泣かないといけない。どうしようもない。一生泣いている。具合が悪く、自分で育てたくてもできなかった。仕方がなかった。胸の内にとどめておいて、誰にも話すことなく生きてきたが、一生あのときを後悔し続けるだろう」
(つづく)
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