韓国の裁判所が触法少年の家宅捜索に厳しい基準を適用し、関連捜査が困難になるケースが増えている。特に最近、触法少年の犯罪件数が増加し、卑劣な犯罪の割合も増えているため、対策を求める声が相次いでいる。
「触法少年」は満10歳以上~14歳未満の未成年者。犯罪行為をしても刑事責任能力がないと判断され、刑罰ではなく保護処分を受ける。満10歳未満は処罰そのものが全く不可能だ。
例を見てみる。
(1) A(12)は今年初め、ゲームをしていて、オンライン上でBさんに会った。チャットを続けていたAは、Bさんにわいせつ写真を送ってほしいと要求し続けた。結局、BさんはAに裸の写真などを送った。
(2) 中学生C(13)は2020年、塾の女性トイレで、女子生徒Dさん(10代)を携帯電話のカメラでこっそり撮影し、警察に捕まった。
二つの事件とも容疑を立証し、撮影物流布など2次加害を防ぐためには携帯電話の押収が必須だ。しかし、裁判所に令状を申請したが「触法少年」という理由で全て棄却され、警察は携帯電話の確保に失敗した。
警察は決定的な証拠である携帯電話を確保できないまま捜査を進めるしかなく、AとCは家庭裁判所少年部に送致された。物足りない捜査だった。
ある警察関係者は「携帯電話をはじめデジタル機器は(性搾取物が)さらに流布される可能性もあり、決定的な証拠になるため押収が必要だ。裁判所でかなり細かく検討しても、結局証拠を確保できないまま捜査をする場合が多い」と吐露した。
また別の警察捜査官もやはり「2次被害を防ぎ重要な証拠品を確保するためには、強制捜査権がある程度必要だ。だが現状では捜査にかなり制約が多い」と告白した。
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