韓国では教師になっても5年足らずで教壇を離れる人が急増している。現場で働く若い教師らは声を一つにして、教権(教員の権威)の失墜と業務の過重を原因に挙げた。
教育省と各市道教育庁の資料によると、最近の1年間に勤続5年以下で退職する教師は589人に達した。303人が教壇を離れた昨年と比べて2倍ほど増加した。
教師らは教権の失墜を第一の理由に挙げた。大邱(テグ)のある中学校で3年間勤めている教師は「期間制で来た英語教師がいたが、生徒たちが厳しい質問をしたり先生を無視したりする態度を見せ、授業が終わった後に先生が泣くことがあった。年配の先生に乱暴な接し方をする子どもたちを見て、自壊するような感覚になったりする」と話す。
特に、訓戒のための指導を「児童虐待」として申告されることが多くなり、不安を感じる教師も増えている。韓国教員団体総連合会が10日発表した「教権保護活動報告書」によると、教権侵害で昨年、同会に受け付けられた相談件数は520件で、2016年以後、最も多かった。このうち241件が保護者に関するもので「児童虐待として申告する」という内容が大部分だった。
京畿道(キョンギド)の小学校に勤める5年目の教師は「保護者による苦情があまりにも激しく、休職する教師や離職する同僚も多い。若い教師であれば、生徒はタメ口で話す。教えるべき内容も多く、若い教師の中には精神科に通う人たちも少なくない」と指摘する。
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