
韓国大統領選挙を控え、共に民主党のイ・ジェミョン(李在明)候補がYouTubeを活用したオンライン選挙戦略で支持層の結集に乗り出した。出馬表明から最終遊説まで、すべてを動画に込める「YouTube大統領選」を貫く構えだ。
イ・ジェミョン氏は1日、選挙を2日後に控え、故郷である慶尚北道安東(アンドン)でYouTubeチャンネル「オーマイTV」のライブ放送に出演し、大統領選への心境を語った。その後、進歩系チャンネル「スピークス」のライブにも登場し、支持を訴えた。
オーマイTVでは、3年前の前回大統領選での敗北について「準備不足だった」と悔しさをにじませた上で、「あの敗北以来、あまりに多くのものが壊れ、失われた。特に若年層男女間の対立が深まったことがつらい」と語った。
また、保守系団体「イ・パク・スクール(イ・スンマンとパク・チョンヒの姓を取って命名)」による「コメント部隊」が、イ・ジェミョン氏や改革新党のイ・ジュンソク候補を批判し、保守候補を称賛するコメントを組織的に投稿していたとの報道について、「民主主義への挑戦であり、内乱行為に等しい」と糾弾。徹底した真相究明と責任追及を求めた。
スピークスでは、2010年ソウル市長選で惜敗したハン・ミョンスク(韓明淑)元首相の事例を引き合いに出し、「当時、世論調査で大差と見て投票に行かなかった人たちが結果に悔しがった。投票がいかに重要か、改めて訴えたい」と力を込めた。
また、イ・ジェミョン氏は「汚職で収監された人物、国政壟断で罷免された大統領経験者、軍事クーデターを起こした元首脳が結集したようだ」とし、イ・ミョンバク(李明博)、パク・クネ(朴槿恵)、ユン・ソンニョル(尹錫悦)の歴代大統領を一括して批判した。
感情をあらわにする場面もあった。1976年に少年工だった自身に、今の大統領候補としての自分が何を語りたいか問われると、イ・ジェミョン氏は涙ぐみながら「私を工場へ連れて行った母が、私よりもっとつらかったと思う。私は人々にとって、母のような温かな存在になりたい」と述べた。
選挙戦の終盤、イ・ジェミョン氏は保守系メディアを避け、進歩系YouTube番組に相次いで出演している。5月29日には「マブルショー」に登場し、最終日はキム・オジュンの「ニュース工場」の生放送に出演予定だ。SNSを駆使した公約発信や“政治的に困難な地”での遊説を通じ、コアな支持層の票を固めようとしている。
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