韓国の違法なオンライン動画サービス「ヌヌTV」に絡み、運営者が逮捕されたにもかかわらず、同サイトを模倣した新たな違法OTTサイトが登場している。このような模倣サイトが増える背景には、違法オンライン賭博サイトが提供する巨額の広告料があるとされる。青少年が動画視聴中に好奇心から賭博に巻き込まれるケースが増加しており、専門家は注意を促している。
文化体育観光省と警察によると、「ヌヌTV」や「TVWiki」などの名称で検索すると、改変されたドメインを持つ模倣サイトが表示される。9日には「ヌヌTV」の運営者が逮捕され、関連サイトも閉鎖されたが、新たに「ヌヌTV6」や「TVWiki4」などの名前を利用するサイトが現れた。これらのサイトにアクセスすると、閉鎖されていない別の違法OTTサイトへのリンクが表示される仕組みだ。
模倣サイトの運営者は、青少年を違法賭博に誘導するため、事業所住所をパラグアイやオランダなどに偽装し、政府の取締りを逃れようとする。これに対し、同省関係者は「掲載情報は虚偽であり、捜査に実効性はない」と指摘した。
違法OTTサイトと違法賭博サイトは共生関係にあり、賭博サイトが広告費を提供することでOTTサイトは運営を続けられる。広告料は暗号資産(仮想通貨)で支払われ、追跡が難しい。そのためOTTサイトの利用者が増えるほど賭博サイトへの誘引も増加する悪循環が生じている。
実際、「ヌヌTV」では人気料理番組は10万回以上、米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)ドラマ「ザ・グローリー」は1エピソード当たり200万~300万回、それぞれ視聴が記録された。これにより、違法賭博で検挙された青少年も急増。昨年9月から今年7月までの特別取締りで検挙された9971人中4715人(47.2%)が青少年であり、そのほとんどが単純賭博行為者だった。
市民団体「賭博のない学校」のチョ・ホヨン代表は「違法OTTサイトの同時接続者数が数十万人に上る中、たとえ0.1%でも賭博広告にさらされると、オンライン賭博サイトにとっては非常に効果が高い」と指摘。特に、青少年が無料動画やウェブ漫画を視聴するために訪れた際に広告が目に入るケースが多いと述べた。
さらに、チョ代表は「賭博資金は入出金形態から銀行のシステムで検出できるため、銀行が疑わしい口座を凍結し、青少年を保護するための取り組みが必要だ」と提言した。
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