
韓国江原道江陵市に位置する主要水源・梧鳳(オボン)貯水池の貯水率が14.9%まで低下した。今後もまとまった降雨の見通しがない中、韓国政府と関係機関が総力を挙げて水不足対応に乗り出している。災害による被害の拡大を防ぐため、行政安全省は8月30日午後7時、江陵市一帯に「災害事態」を宣言し、国家消防動員令を発動した。
これを受けて消防庁は8月31日、水タンク車50台と給排水支援車1台の計51台を全国から動員し、さらに江原地域の消防車20台も加わって江陵市の洪済浄水場に水を供給している。消防車両は市内の消防センターや水道用消火栓、取水場などを巡回し、水を集めて浄水場へ運搬する作業を繰り返している。31日の給水量は約2500トンと見込まれ、9月1日以降は容量の大きいタンク車を投入して3000トンの供給も可能になるとしている。
また江原道庁では同日、江原道教育庁、水資源公社、農村振興公社などの関係者が参加する緊急会議を開催し、ホン・ジェヨプ副知事の主宰のもと、江陵の干ばつに対応するための重点対策を協議。災害安全対策本部の運用レベルを第2段階に引き上げ、対応を強化することを決めた。
対応策としては、脆弱階層への水供給対策、農作物被害の把握と予防措置、中小事業者の被害管理と支援、大型宿泊施設・観光地での節水要請、休校または時短授業の検討、学校給食への対応、全国への散水車支援要請、民間部門との協力など、多方面にわたる措置が挙げられている。
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