2025 年 7月 25日 (金)
ホーム社会「済州島は中国の島」「襄陽は遊興の街」「放射能の街」…SNS怪情報が韓国観光産業を直撃

「済州島は中国の島」「襄陽は遊興の街」「放射能の街」…SNS怪情報が韓国観光産業を直撃

(c)MONEYTODAY

「恋人が襄陽に行っていたら要注意」「済州島はもう中国の島だ」――SNSを中心に、韓国国内の主要観光地を揺るがす怪情報が広がっている。地域の観光業界では観光客離れが進むことへの深刻な懸念が高まっており、地方自治体や韓国観光公社も事態の収拾に追われている。

問題の一つは江原道襄陽。近年はサーフィンやグルメで知られる観光地として人気を集めていた。しかしSNSやオンラインコミュニティでは、「襄陽は遊興の聖地」などとする書き込みが相次ぎ、実態と異なる印象が拡散している。これに対し、襄陽郡は虚偽情報を流した投稿者を告発すると明らかにしたが、関連する書き込みは今も続いている。

また、仁川・江華郡では「北朝鮮が放射能を流した」とのうわさが立ち、「放射能の街」として風評被害を受けた。発端は、ある動画投稿者が「江華の海から基準値を超える放射能が検出された」と主張する動画を公開したことによる。これに対し、地元自治体が漁業関係者と緊急会合を開く事態となった。

済州島では、観光地・牛島の浜辺に中国国旗が掲げられた写真がオンラインで出回り、「済州島が中国に買われた」とのうわさが広まった。済州道は「中国人による土地の所有割合は全体の0.5%にすぎない」と否定したが、不安は根強い。

こうしたうわさが観光業に与える影響は甚大だ。とくに高齢者の団体観光では、一度に50人規模のキャンセルが生じることもある。済州のある旅行会社の代表は「中国人観光客が増えたといううわさが出てから、国内からの訪問客が明らかに減った」と語った。

一度ネガティブなイメージが定着すると、その払拭には多額の費用と長い時間が必要となる。全羅南道麗水もその一例で、「ぼったくり料金」「不親切」との評価が定着し、かつて1500万人以上が訪れていた観光客数が、2023年には1000万人台にまで落ち込んだ。

韓国国内の観光市場は現在、低迷が続いている。海外旅行需要の高まりに加え、こうした地域観光に対する否定的な認識が広がり、団体観光・個人旅行(FIT)ともに縮小傾向にある。韓国観光公社によれば、2025年6月までの国内観光消費額は19兆1104億ウォンで、前年同期比で4.0%減少。済州島の内国人観光客数も1187万人と、前年より6.2%減った。

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