
韓国での2024年12月3日の非常戒厳に関連し、内乱重要任務従事の罪に問われたハン・ドクス(韓悳洙)前首相が、1審で懲役23年の判決を受けた。特別検察の求刑(懲役15年)を大きく上回り、過去の軍部内乱事件で同じ罪に問われたノ・テウ(盧泰愚)元大統領の1審判決(懲役22年6カ月)よりも重い量刑となったことで、司法の判断基準に注目が集まっている。
ノ・テウ氏は1996年8月26日、反乱重要任務従事などの罪で1審懲役22年6カ月を言い渡された。その後、2審で懲役17年に減刑され、大法院(最高裁)で刑が確定した。
今回の判決では、大規模な流血事態が起きた過去の内乱事件よりも重い刑が科された点を問題視する見方もある。人命被害がなく、約6時間で終結した12・3非常戒厳を、軍部クーデター型の内乱と同じ基準で評価したのではないかという疑問だ。
しかし、裁判所は内乱罪の成立や量刑を判断するにあたり、流血の有無や過去事件との単純な量刑比較を争点としなかった。ハン前首相の事件を審理したソウル中央地裁は12・3非常戒厳を「上からの内乱」「親衛クーデター」と位置付け、権力の外にあった軍部が武力を動員した過去の内乱と明確に区別した。
国民が選出した権力者が、憲法と法律を軽視して内乱行為に及べば、民主主義と法治主義に対する国民の信頼そのものを揺るがしかねない、というのが理由だ。このため、過去の内乱事件に関する大法院判例を、そのまま12・3内乱の量刑算定に当てはめるのは困難だと判断した。
軍部クーデター型の内乱とは異なり、すでに憲法上の権限を持つ権力が、憲政秩序を破壊する手段としてその権限を使った場合、波及力や危険性は比較の対象にならないという認識である。
裁判所はまた、12・3内乱で死者が出ず、短時間で終息した点についても、被告側に有利な事情とは評価しないと線を引いた。武装した戒厳軍に立ち向かい国会を守った市民の抵抗、国会による迅速な戒厳解除決議、違法命令に消極的に従う、あるいは抵抗した一部の軍・警察の判断があったためで、「決して内乱加担者の功績ではない」と強調した。
さらに、変化した韓国の国際的地位も考慮要素として挙げた。裁判所は「現在の韓国は世界的に先進国と認められ、国際貿易や国際政治での地位も過去とは比較にならない」とした上で、「『親衛クーデター』が起きた事実によって受ける経済的、政治的衝撃は、従来の内乱行為とは比べものにならない」と指摘した。
この判断は、2月19日に判決が予定されているユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の内乱首謀罪事件でも、内乱の性格や責任構造をどう位置付けるかの基準として検討される可能性がある。ある法曹関係者は「軍部クーデター型内乱と一線を画して判断した点に今回の判決の意味がある。重刑に至った主要な判断要素だけに、他の内乱事件や上級審でも踏襲されるか注視したい」と話した。
(c)news1

