
65歳以上の高齢者が人口の20%を超える超高齢社会に突入した韓国で、終末期の延命治療の拒否や中断への関心が高まっている。世論調査では、成人の91.9%が「末期・臨終期の患者となった場合、延命治療を中断したい」と回答している。
そんな中、ある男性が10年前に母親の延命治療をしない選択をした結果、最近になって20年来の友人から「お前は殺人者だ」と責められたとオンラインコミュニティで打ち明けた。
男性は付き合いの長い友人と酒を飲んでいる席で、延命治療を選ばなかったことを責められた。「ずっとお前は殺人者だと思っていた」とまで言われ、深く傷ついたという。
ネット上では「他人の家族の問題を、よくもそんなふうに言える」「家族のための思い切った決断なのに『殺人者』呼ばわりするのはひどい」「そんな友人とは会わない方がいい」といった同情の声が多く寄せられている。
延命治療とは、蘇生措置や人工呼吸器などを使って、治療効果が見込めない末期あるいは臨終期の患者の生命を維持する行為を指す。
韓国では2018年に施行された「延命治療決定法」に基づき、本人または家族の同意で延命治療を中断することが可能になっている。つまり男性の判断は法的に認められているのだ。
なお、延命治療中断は社会から広く支持を得ており、調査では82%が「支援型尊厳死(調整死)」の合法化にも賛成している。
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