2025 年 1月 3日 (金)
ホーム政治「残業やめましょう」を「無給で超過勤務しろ」と解釈する韓国の警官たち…手当てに不満、渦巻くマグマ

「残業やめましょう」を「無給で超過勤務しろ」と解釈する韓国の警官たち…手当てに不満、渦巻くマグマ

(c)news1

「お金に合わせて働くことが職業で、お金以上に働けば召命です。私たちの仕事の価値と重さをもう一度考えながら1日を終えてください」

ソウル警察庁に所属する約3万人の警察官に8日午後、1通の携帯メールが流れた。聴聞監査人権担当官室が定期的に送るメールで、独立運動家、キム・グ(金九、1876~1949)の名言を引用した。

文言だけを見れば平凡だが、このメールが発せられた後、警察内部で議論が起こった。ちょうど超過勤務手当ての支給に関する内部指針が発表されたばかりだった。「情熱ペイ」騒動に油を注いだのだ。

情熱ペイとは「情熱」と「ペイ(給与)」を合わせた造語で、経験を積んだり、情熱を注げたりする職場であれば、無給や低賃金でも仕方ないとする考え方だ。

会社員匿名コミュニティ・ブラインドによると、警察コミュニティには今月9日、今回の携帯メールに言及して「お金がなくて超過手当てを支給できないという話を、なぜそのようにごまかすのか」という書き込みが上がった。「金九の名言を全く違う脈絡で送った」「こんな時代に、情熱ペイを要求するのか」「火事で家が燃えているのに、風を送って火を煽っているのか」などのコメントが多数ついた。

◇指針発表で不満

発端はこうだ。

警察庁は6日、超過勤務を最小化する趣旨の「警察庁勤務革新強化計画」を市・道警察庁と付属機関に送った。超過勤務申請が制限される日として水曜日が定められていたが、年末までは水・金の2日間に拡大するとした内容だ。

この計画の発表後、警察内部では「情熱ペイを強要する」という不満がうずまいた。ある警察官は「夜間に集会が開かれれば、警備や情報収集のために警察官が出動する。大規模な詐欺事件や刑事事件が発生しても超過勤務が伴う。今後は水曜日と金曜日には無給で超過勤務しろという意味か」と反発した。

また、別の警察官は「指針発表で不満がたまっているところに、あのようなメッセージを受け取れば、『お金を受け取らずに仕事をしろ』という意味と理解するのは当然だ」と話した。

これに対し、ソウル警察庁関係者は「他の地方警察庁で超過勤務時間を虚偽入力し、手当てを不当受領した事例があった。職業意識をしっかり持ってほしいという趣旨だ」と釈明した。

誤解から始まった騒ぎだが、簡単には収まりそうにない。

ある警察官は「不正受領根絶というメッセージもあっただろうが、このような超過勤務の自制要求は初めてだ。予算が底をつき、苦肉の策を出したという見方もある」と話した。

警察庁関係者は「過度な超過勤務を防ぎ、仕事と家庭の両立のための措置だ。避けられない超過勤務の場合は、部署長の承認を受けて可能だ」と説明した。

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