
韓国京畿道城南市にある“倉庫型薬局”メガファクトリー薬局は、平日にもかかわらずカートを押す買い物客で溢れかえった。
6月に開業したこの薬局は、20年以上の経歴を持つチョン・ドゥソン薬剤師が5年をかけて準備した新業態だ。売り場は約140坪と広大で、一般医薬品、健康補助食品、動物用薬品、医療機器など2500種類を超える商品を揃え、来店者はスーパーのように自ら選んでまとめ買いできる。
「薬の販売構造は長年、薬剤師が選んだものを受け取る形式が変わらなかった。成分や価格を公開し、消費者自身が比較して選ぶのが合理的だ」と鄭薬剤師は語る。
開業から2か月が経つが関心は衰えず、子育て世代から高齢者まで幅広い客層が訪れている。家族や知人からの依頼で“代購リスト”を持参する人も多いという。
一方で、韓国薬剤師協会など業界団体は「大量購入による過剰消費や薬物の誤用・乱用を助長する」と懸念を示し、食品を扱う倉庫型スーパーとは異なり「持続可能なモデルではない」と批判する。薬は必要な時にしか購入されず、消費間隔も長いためだ。
それでもチョン・ドゥソン氏は事業拡大に前向きで、2号店・3号店の展開を視野に入れている。「高齢化と健康志向の高まりで需要は十分ある。薬剤師が服薬指導をする点で、安売り雑貨店とは違う付加価値を提供できる」と自信を見せる。
さらに「メガファクトリーを流通チャネルとして活用すれば、品質は高いが知名度が低い製品も市場に出やすくなる。結果的に消費者の利益となり、一般医薬品市場全体の拡大にもつながる」と話した。
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