2025 年 7月 26日 (土)
ホーム社会「暑さしのぎ施設」が空振り…「高齢者置き去り」韓国の猛暑対策

「暑さしのぎ施設」が空振り…「高齢者置き去り」韓国の猛暑対策

(c)news1

記録的な猛暑が続く中、韓国で高齢者のために設置されている「暑さしのぎ施設」が、ほとんど利用されていない実態が明らかになった。運営が複雑で分かりにくく、外部の人が入りづらい雰囲気であること、告知や広報が不十分なことが大きな理由だ。

news1の取材班は10、11の両日、ソウル市鍾路区(チョンノグ)・麻浦区(マポグ)・龍山区(ヨンサング)の住民センターや福祉館、高齢者が集まる地域施設「敬老堂」、銀行など17カ所の「暑さしのぎ施設」を訪ねた。その多くが会員制だったり、民間との併用だったりして初めての利用者が入りにくい環境にあった。

敬老堂は年間会費を徴収する場所もあり、普段から通っている住民同士のコミュニティが形成されているため、外部の高齢者には入りづらい。「開放している」と掲げていても外部からの利用者はほとんどなかった。

また、住民センターなどでもエアコンが壊れていたり、暑さしのぎ施設の表示がなかったりした。ソファが設置されているだけで職員に尋ねなければ分からない施設もあった。

一方、最もアクセスしやすく、快適だったのは「銀行」だった。エアコンが効いており、来客にも寛容で、「ご自由にどうぞ」と声をかける職員もいた。行政安全省は今年4月から、銀行やスーパーと業務提携し、協力体制を整えている。

こうした実態に対し、貧困社会連帯の活動家キム・ユニョン氏は「利用者の経済力や関係性、地域性に応じた柔軟な設計がされていない」と批判した。

また、梨花(イファ)女子大学のチョン・スンドゥル教授は「高齢者は情報を人づてに得る傾向が強い。彼らの動線に情報を配置する工夫が必要だ」と訴えた。

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