現場ルポ
インクができあがるまで、モナミストアを見て回った。
聖水店でのみ経験できる「ノートDIY体験スペース」が目に入った。ボールペン、水性、油性、万年筆など、筆記具に合った紙の中から、客が直接選択・組み合わせることのできるノートを製作し、シルクスクリーン技法を活用してを飾ることができる。
インクラボで作ったインクによりノートを製作した後、各種の模様の板の上にインクをかけた。初めての体験でややぎこちなかったが、「だからDIYが人気があるんだな」と思うほど、「この世に一つだけのノート」という満足感が大きかった。
完成したノートはクリップなどのアイテムで外観を飾ることができる。
このほかにも▽10個のインクとボールペンの胴体、頭、ボタンまで多様に組み合わせることができるボールペン作り体験ゾーン▽バンディングカラーとアイレット付シールなどを選択できる「MIX手帳DIYゾーン」――も目を引いた。手帳には刻印も彫ることができ、さらに特別なものに感じられた。
◇文具オタクDIY「ラストボス」…聖水の新「ホットプレイス」予感
あれこれDIYを使って30分が流れ、手作りの「松島海水浴場」インクが完成した。その場で、職員の案内にしたがって「プラスペン(Plus Pen)」も製作することができた。
従業員は「プラスペンは聖水店オープン記念で無償提供されるイベント」と説明した。
インクが使える万年筆も必要と思った瞬間、職員は「万年筆に名前などを刻印できる」と説明した。
直接選んだ万年筆を刻印機械に差し込み、書体や文房具などを選ぶと、店員がサンプル試案を見せてくれた。サンプルに刻印された文句の大きさ、書体などを見て「お気に召しましたか」と聞いた後、修正事項があればこれを反映して最終刻印する。
この日見て回ったモナミストアは文房具DIYの「ラストボス(Last Boss)」だった。 文具を購入するための場所ではなく、文具オタクが作った文具オタクのための空間のようだった。
売場の中にはモナミが厳選した世界各国の有名文具ブランドの文具製品が備え付けられており、モナミだけでなく文具に関心のある人なら「聖地巡礼」に値するという気がした。
インク、ノート、ボールペンいずれも世界に一つだけのオリジナルフレーズを作ることができるという点で、独自のユーザー経験を重視する最近の消費者の感性を刺激する要素が多かった。
モナミは、単に製品を販売するだけでなく、文具を通じて顧客とコミュニケーションする複合文化空間を作るという構想を抱く。現在、モナミストアは、本社・水枝(スジ)店(京畿道龍仁市水枝区)、ソウル・仁寺洞(インサドン)店、ロッテ百貨店釜山(プサン)店、そして最近オープンした聖水(ソンス)店の4カ所で運営している。
モナミ関係者は「かつて“記録のための筆記具”は絵を描く道具にパラダイムを拡大し、“描く”に重点を置いたコンテンツを提供している。さまざまなDIY体験プログラム、自分だけのアイテムを作る楽しみを通して、MZ世代を含む多様な消費者に新鮮なブランド経験を提供している」と話した。
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