
韓国京畿道果川市の住民約1000人が、新興宗教「新天地イエス教証しの幕屋聖殿」(新天地)による市内建物の宗教施設への用途変更に反対する抗議集会を開いた。主催した市民団体「新天地OUT非常対策委員会」は「果川を守ろう、新天地は出て行け」と訴えた。
集会には保護者や学生を中心とする市民のほか、果川市のシン・ゲヨン市長、与党「共に民主党」国会議員のイ・ソヨン氏らも参加した。
新天地が使用しているのは、市内の地上10階建て建物の9~10階部分。2006年に9階を取得して以降、用途変更なしで現在まで宗教活動に使用している。新天地は2023年3月、既存の「文化および集会施設」から「宗教施設」への用途変更を果川市に申請したが、市はこれを不許可とした。
新天地側はこの決定を不服とし、「建築物台帳記載内容変更申請不受理処分取り消し訴訟」を起こし、2025年4月、地元の水原地裁で勝訴した。裁判所は「市(被告)は、関係法令に明記されていないという理由で変更申請を拒否できない」と判断した。
これを受け、地域住民を中心に反対の声が強まり、約2万人分の署名が果川市に提出された。市は今月、控訴するとともに、当該建物が公共の利益を損なう要素を持つかどうかについて、9月まで外部機関に調査を委託する方針を明らかにした。
市民団体によると、問題の建物は果川市中心部の商業地域にあり、半径1キロ以内に幼稚園、小・中・高校を含む7校が集中していることから、教育環境や地域の安全に対する懸念が高まっているという。非常対策委員会は「今回の用途変更は単なる事務手続きにとどまらず、果川の健全な教育環境と地域の未来を左右する重大な決断だ」と主張した。
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