韓国の仁川（インチョン）地裁はこのほど、救急医療に関する法律違反と道路交通法違反（無免許運転）の罪に問われた「私設救急車」の運転手（44）に懲役1年6月、罰金200万ウォン（1ウォン=約0.11円）を言い渡した。この救急車を利用したグループ「ジオディ（god）」出身の歌手キム・テウさんも救急医療に関する法律違反の罪で略式起訴されている。
判決によると、運転手は2018年3月16日午後7時ごろ、ソウル市城東（ソンドン）区のイベント会場へ向かうキムさんから30万ウォンを不法に受け取り、京畿道（キョンギド）高陽（コヤン）市内の道路を走行した。
キムさんは所属事務所の幹部から「私設救急車を利用すれば渋滞を避けて会場へ早く行ける」として運転手を紹介されたという。
運転手は2021年1月から昨年2月まで無許可区域で救急車を運行して539万ウォンの利益を得たとみられ、2021年8月から昨年3月まで計23回にわたって無免許で救急車を運行した罪と合わせて起訴された。
地裁は「言い訳に終始しており、飲酒運転など前歴があることなどを総合考慮すれば厳しく処罰する必要がある」と述べた。
事故などで応急処置の必要な事態が起きた場合、現場から病院までの救急搬送は消防当局が担う。だが韓国ではいったん病院に到着して処置が始まれば、後は患者側が自分で移動しなければならない。
私設救急車は主に最初の病院で治療が難しい重症患者を他の病院に移す時に使われ、患者側が自分たちで呼んで利用する。各病院を回って自分たちの私設救急車を利用するよう営業する会社も多い。
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