
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)氏が大統領を罷免された。パク・クネ(朴槿恵)氏に続き、憲政史上2人目の大統領罷免となる。弾劾の引き金となった「非常戒厳」宣布から122日後のことだった。
憲法裁判所は4日、ソウル市鍾路区の大審判廷でユン・ソンニョル氏の弾劾審判事件の宣告期日を開き、裁判官全員一致の意見で罷免を決定した。
憲法裁はこの日午前11時に宣告を開始し、22分間にわたり宣告内容を朗読した後、11時22分に大統領罷免を宣告した。過去、ノ・ムヒョン(盧武鉉)氏の際は25分、パク・クネ氏は21分を要していた。
憲法裁は「戒厳令宣布当時、検事1人および放送通信委員長に対する弾劾審判手続きのみが進行中であり、被請求人(ユン・ソンニョル氏)が『野党が一方的に通過させたとして問題がある』と主張する法律案については、被請求人が再議を要求したり公布を保留したりしたことでその効力が発生していない状態であった」としたうえ「国会の弾劾訴追、立法、予算案審議などの権限行使が、本件戒厳令宣言当時、重大な危機状況を現実的に引き起こしたとはみなすことはできない」と指摘した。
さらに、たとえ国会の権限行使が違法・不当であったとしても、憲法裁判所による弾劾審判や、ユン・ソンニョル氏による法律案への再議要求など、通常の権力行使手段によって対処することが可能であるため、「国家緊急権の行使を正当化することはできない」と強調した。
また、憲法裁は「被請求人は、不正選挙の疑惑を解消するために戒厳を宣言したとも主張しているが、単に疑惑があるというだけで重大な危機状況が現実に発生したとは見なせない」と断じたうえ「被請求人が主張する事情をすべて考慮しても、被請求人の判断を客観的に正当化できるほどの危機状況が戒厳宣布当時に存在していたとは認められない」と判断した。
加えて、ユン・ソンニョル氏が「戒厳が野党の横暴や国政の危機的状況を国民に知らせるための『警告的戒厳』または『訴えかけ型戒厳』である」と主張した点について「これは戒厳法が定める戒厳宣言の目的ではない」と断じた。
首相や関係閣僚が非常戒厳宣言文に署名していなかったにもかかわらず、ユン・ソンニョル氏が非常戒厳を宣布したとして、「手続き違反も認められる」と指摘した。
加えて、国防相に対して国会に軍隊を投入するよう指示し、国会議員を引きずり出すよう命じたことにより、国会の権限行使を妨害したとも判断した。
憲法裁は11回にわたる弁論期日を開き、これらの争点を中心に証人尋問の内容や採用された証拠を総合的に検討した。
その結果、ユン・ソンニョル氏が憲法・法律に違反しており、その違反行為が大統領職を罷免するに足るほど重大であると判断した。
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