韓国の「非常戒厳」宣布をめぐり、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を風刺するミーム(Meme、画像ネタ)がオンライン上で急速に広がっている。戒厳令という表現の自由を制限する事態に対抗し、若者たちが風刺的なミームを新たな社会参加の手段として活用している。
オンラインコミュニティやSNSでは、戒厳令に関する多様な風刺ミームが投稿されている。その中でも注目を集めているのが、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記を題材にしたものだ。
あるミームでは、苦悩するキム総書記の写真とともに「???: 何なんだ、まだ何もしてないのに……」というテキストが添えられている。戒厳令が本来、国家的な危機や非常事態でのみ発令されるべきだが、北朝鮮の脅威を伴わない状況で韓国が戒厳令を出したことを皮肉ったものだ。
他にも、キム総書記が娘を抱える写真に、ユン大統領の弾劾可決を報じるニュースが合成されたミームも登場。韓国の政治的混乱に対する北朝鮮の関心を表現している。
ユン大統領の戒厳令発令に、妻キム・ゴニ(金建希)氏が影響したという風刺も話題だ。あるミームでは、ユン大統領とキム・ゴニ氏が笑顔を見せる写真に「愛のために“戒厳”までした」という短いセリフが添えられ、キム・ゴニ氏の数々の疑惑がユン大統領のリスク要因だったことを暗示している。
風刺ミームについて、27歳の会社員は「ミームを見ていると、深刻な問題をユーモアで軽やかに受け止めることができた」と述べた。また別の若者は「ミームをSNSで共有することで、弾劾という重いテーマを話しやすくするきっかけになった」と語る。
専門家は、風刺ミームが自由を制限する戒厳令に対する若者たちの抵抗手段であると分析している。高麗大学のキム・ユンテ教授は「デジタル技術の発展によって、ミームが短時間で拡散し、共感を広げる文化的手段として活用されている」と指摘。若者たちのミーム活動が民主主義の回復に貢献する可能性を示唆した。
(c)NEWSIS