「大人が成人認証を受けて『脱ぐ放送』を見るのはどう?」
「公務員」と「成人放送」。大きな関連性がなさそうな2つの単語がこの2週間、韓国で多くの人の話題に上った。公務員がオンライン成人放送BJとして活動して摘発された事件が相次いで起こったためだ。
発端は11月14日、中央省庁所属の7級公務員A氏が任用後、正式発令前に「脱ぐ放送」をオンライン放送して監査を受けているという報道だった。「脱ぐ放送」とは出演者が服を脱いで出てくる放送を意味する。約1週間後の同23日、また別の中央省庁所属の7級公務員B氏が業務中にインターネット放送で体を露出して懲戒処分を受けたという事実が伝えられ、騒ぎが再燃した。
非難の焦点は、他職種とは異なり、品位維持義務など特殊性のある公務員がオンラインで成人放送を手掛けたということにあった。A氏は放送中、本人が任用された事実を何度も明らかにしたという。B氏は放送で公務員証を首にかけたり、省庁の組織図をそのまま流した。
いくら、オンライン放送が活発だとしても、「敷居が高そうな」成人放送の話題が主要コミュニティの関心事になった例はなかった。
◇「BJたちが望んで脱いだのだ」のか
成人放送で有名ないくつかのオンライン放送プラットフォームを直接取材した。
「敷居が高そうだ」というのは記者の勘違いだった。
プラットフォームアプリのインストールから「19歳以下禁止マーク」が付いた成人放送の視聴まで、10分もかからなかった。映像の上下段にある「特定性行為」の言葉の横に、現金性アイテムの金額が記された「価格表」が出ている。
何百~数千人に達する視聴者たちはBJに現金性アイテムを出し、本人が見たい行為を「注文」する。BJがお金を受け取ってサービスに応じれば、視聴者は「消費者」になり、映像の中のBJに向かってセクハラにふけり、よりレベルの高い要求をする。
チャットルームの入場前に見た「24時間モニタリング」という案内は、記者が見た映像の中では一度も作動しなかった。
このような実態を明らかにした報道をすると、コメントが数え切れないほど書き込まれた。
「成人が成人コンテンツを視聴するのが問題なのか」
「BJたちが望んで脱いだのだ」
一見すれば、間違っているわけではない。一方で、オンライン上で今日、「脱ぐ放送」が生産され、消費される様子を見ると、考えるべき点が多い。
何よりもコンテンツの内容が、韓国社会で問題視されている性の商品化や搾取をそのまま踏襲している。
◇オンライン成人放送で蔓延した性搾取
今年3月、ある成人放送BJが、「脱ぐ放送」に強制的に出演させられ、まともに精算されなかったと主張した。これをきっかけに、被害の事例がメディアを通じて続々と明らかになっていった。
反暴力の4団体が集まった「脱ぐ放送」被害者共同支援団が4月、活動を始めた。同団体によると、被害類型は▽望まない露出や性的行為など、騙されて出演▽不公正契約や放送以後収益金未精算▽「脱ぐ放送」映像を流布するとの脅迫や実際の流布――などに分かれる。
副業を名目にして「脱ぐ番組」に出演させ、不公正契約を通じて「脱ぐ放送」BJとして放送を始めさせ、違約金を口実に放送を無理やり継続させるやり方だ。この過程であれば、まともに精算されない場合も相当ある。
「成人が成人放送を見るのがなぜ問題なのか」というコメントの中の反応は、オンライン成人放送での彼女らの性的露出が「自発的行為」であるかのように装う場合が多いという点を看過したものだ。
成人放送騒ぎが大きくなると、非難の矛先はBJらコンテンツの中の人物に集中する。今回の公務員の事例も同様だ。一方で、たとえ彼女らの行動が逸脱した行為だとしても、それがオンライン成人放送で蔓延した性搾取の事実を否定し、被害者を罵倒する根拠にはならない。
今回の騒ぎを単に、道徳的に逸脱した出来事だと決めつけのは違和感がある。【news1 キム・イェウォン】
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