
韓国・釜山の銀行で、おもちゃの水鉄砲で金を奪おうとしたとして強盗未遂の罪に問われた30代の男に対する控訴審判決が8月27日言い渡され、釜山高裁は検察の控訴を棄却し、懲役2年6カ月・執行猶予4年、保護観察、社会奉仕120時間を命じた1審判決を支持した。
男は2025年2月10日午前10時58分ごろ、釜山・機張郡の銀行に押し入り、金を奪おうとした。顔を隠すためにマスクと毛糸の帽子を着用し、銃のように見えるおもちゃの水鉄砲を黒いビニール袋で覆い、銀行に侵入。支店長室に押し入ろうとしたが、支店長と客が内側から扉を押さえたため失敗した。
その後、男はロビーに出て、顧客や職員にひざまずくよう命じ、事前に用意していたスーツケースに5万ウォン札を詰めるよう脅迫した。しかし、居合わせた50代の男性客がビニール袋を奪って男と揉み合いに。さらに職員2人も加勢して男を取り押さえた。
押収したビニール袋の中には恐竜型のおもちゃの水鉄砲が入っていた。取り調べに対し、男は「小学校に入学する息子に必要な物を買ってあげられず、生活が苦しかった」と供述したという。
1審は「犯行に用いられたのはおもちゃだが、現場の状況を考えれば職員や市民に相当な恐怖と衝撃を与えた」としつつも、「道具に実際の危険性がないこと、生活苦が背景であること、実害が発生しなかったこと、深く反省していること、前科がないこと」などを考慮し、執行猶予付きの判決を下していた。
検察は「量刑が軽すぎる」と控訴したが、控訴審は「既に原審で有利・不利の事情は十分考慮されている」と判断し、控訴を棄却した。
(c)news1