
「このキャラが恐喝している絵を描いて」「しゃべるネコの冒険を4コマ漫画にして」
韓国で最近、SNSを中心にChatGPTを使った「4コマ漫画作り」が流行のように広がっている。超高画質で、ストーリー構成も抜群。AIがユーザーの意図を読み取り、創造性まで加えて描き上げる様子に驚いたユーザーたちは、有料プランへの加入を検討するほどだ。ChatGPTの進化が、現存するAIエコシステムをどこまで揺るがすかに業界の関心が集まっている。
◇「ヤバすぎる」話題の中心に
韓国のオンラインコミュニティで29日、「ChatGPTで4コマ漫画を描く遊び」が大流行中だ。これは25日、ChatGPTの有料版(チーム・プラス・プロ)で「画像生成(Image Generation)」機能がアップデートされたことを受けたもの。このアップデートにより、ChatGPTは文章だけでなく文脈と意図を理解し、創造性を持って絵を描けるようになった。画像内にテキストを挿入する機能も追加され、4コマ漫画を描くのに最適な仕様となっている。
記者も実際に人気投稿を真似て「しゃべるネコの冒険を4コマ漫画で描いて」と指示してみたところ、AIはまずストーリーの概要を説明し、その後に実際の漫画を生成した。
ただし、無料版を使用したため、有料版に比べて画質が劣り、韓国語対応も不完全だった。ChatGPT側は「無料ユーザーにも近日中に画像生成機能を開放する予定」としている。
別の指示では「カカオフレンズのライアンを使って恐喝漫画を描いて」とリクエストした。しかしAIは「著作権があるため描けない」と回答した。しかし、ライアンの画像を学習させたうえで「このキャラでVサインを描いて」と要求すると、ライアンに酷似した画像が生成された。著作権侵害の懸念が浮上した瞬間だった。
◇有料ユーザー急増、OpenAIの収益も急上昇へ
ChatGPTの画像生成機能は圧倒的なクオリティで、韓国のみならず世界中で有料プランへの加入者が増加している。
米ブルームバーグ通信の報道によれば、OpenAIは2025年の予想売り上げが127億ドルに達するとの見通しを社内共有したという。2024年初に目標としていた116億ドルを上回る水準で、2024年の実績(37億ドル)の約3倍となる。
特に有料プラン(ChatGPT Plus:月20ドル、Pro:月200ドル)は今後も拡大が予想されている。
しかし、爆発的な機能向上に伴い、データセンター拡張や高性能GPUの運用コストも急増している。同通信は「OpenAIが2029年に売り上げ1250億ドルに達しても、黒字化は簡単ではない」と予想している。
サム・アルトマンCEOも27日、X(旧Twitter)で「みんなが画像を楽しんでくれるのはいいけど、GPUが溶けそうだ」と冗談交じりに投稿している。実際にサーバー負荷のため、無料ユーザーの画像生成は1日3回までに制限されている。
ただ著作権問題は依然として根強い課題となっている。あるIT業界関係者は「創作活動にAIツールを使うことは増えているが、完成されたキャラクターの模倣・生成は明らかな著作権侵害にあたる可能性があり、注意が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
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