2024 年 5月 20日 (月)
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「廃業」にかかる社会的費用は莫大 [KWレポート] 韓国・崖っぷちの自営業者 (3)

ソウル・明洞の廃業した商店街に貼られている賃貸問い合わせ(c)news1

景気悪化で自営業者の懐事情が厳しくなり、廃業を考える人も次第に増えている。専門家は自営業者が韓国経済で占める割合が大きい点を考慮すれば、彼らが当面、耐えられるよう、支援に乗り出さなければならないと助言する。

長期的解決策としては「構造調整」だ。自営業者の状況が難しくなった背景として「過当競争」が挙げられる。そのため、賃金勤労者転換や廃業費用支援など社会的安全網を整えるべきだというわけだ。

全国経済人連合会の「自営業者2023年上半期実績や下半期展望アンケート調査」によると、アンケートに応じた自営業者500人中40%は実績悪化により、3年内に廃業を考えていると答えた。63.4%は、昨年比売り上げが減少すると予想している。

全国カフェ社長連合会のコ・ジョンス会長は「競争が次第に激しくなり、廃業を考える自営業者が増えている。経営状況悪化で雇用していたアルバイト労働者も減らしている」という。

◇「プランB」が難しい40代以上の大多数

自営業者が「雇用」部門で占める割合を勘案すれば、大規模な廃業となれば、彼らに対する福祉など社会が支払うべき費用は莫大となる。

統計庁によると5月末基準で経済人口全体に占める自営業者割合は20%だ。579万人の自営業者の中で雇用人員がいるのは143万5000人と集計された。

金融業界に危険が転移する可能性もある。

韓国銀行によると、今年第1四半期(1~3月)における金融業界の自営業融資残高は1033兆7000億ウォン(1ウォン=約0.1円)で、史上最高水準だ。

梨花女子大学のソク・ビョンフン経済学科教授は「韓国は経済規模に比べ自営業者の割合が大きい。廃業が大規模になれば、彼らの家庭経済破綻はもちろん、『働き口供給』機能も萎縮しかねない」と警告する。

自営業者が「プランB」を図ることも容易ではない。

大多数が40代以上の中高年層であるうえに、特別な技術を要求しない「サービス業」に集中しているため、短期間で賃金勤労者として再就職したり業種を転換したりするのは難しい。

韓国女性政策研究院によると、2021年末で小商工人556万8000人のうち40歳以上は84.4%に達した。60歳以上の小商工人の割合は34.6%だった。

(つづく)

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