現場ルポ
――美術館・博物館などに訪れ、楽な姿勢で椅子に座っているだけで椅子が一人で動き、自動的に次の展示作品に移動してくれる。椅子についた小さなタブレットサイズのスクリーンでは、私が見ている作品に対する説明が流れている。
――毎年一度受ける健康診断、多様な検査をそれぞれどこで受けなければならないのか尋ねたり探し回る必要なく、私が座っている椅子が自動的に私が次回受けなければならない検査場所に動いてくれる。椅子についたスクリーンではやはり私が受けなければならない検診に対する説明と病院内の地図などが表示されている。
KTが大同モビリティ、コガロボティクスと共同開発した「自動運転スマートロボットチェア」を通じて夢見る姿だ。KTスマートロボットチェアは車椅子形態の搭乗ロボットで、利用者が搭乗すれば決まったコースに沿って自動運転し展示物観覧などを支援するソリューションだ。搭乗者と作品、他の観覧客の安全のための障害物衝突感知および自動停止機能、経路迂回技術などが適用された。KTはソウル市中区の東大門デザインプラザ(DDP)でテスト運営中のスマートロボットチェアを体験してみた。
◇スマートロボットチェア、本物の展示会を見る速度で動くのか…足踏み式回転も可能
直接搭乗してみたスマートロボットチェアは、実際に展示会などで人がゆっくり歩く程度の速度で動き、決められた展示会のコース通りに動いた。ゆっくり歩いて、作品の前では約10秒ずつ止まって鑑賞できる時間を提供し、選択によって自動運転と手動運転を行き来することもできた。
ロボットの前にセンサーが付いていて、前に人や障害物が現れる場合、自然に停止することになり、特に車輪にも「前輪のウムニホイール」が適用され、元の場所で回転することも可能だった。スマートロボットチェアが大規模な博物館や病院などで使われることを目標にしているため、回転半径なしに足踏みが可能な機能はエレベーターなどに乗り降りする時に楽そうだった。
KTはこうしたスマートロボットチェアをただ障害者ら社会的弱者のための車椅子としてだけ活用するのではなく、多くの人がロボットに搭乗して利用する美術館・展示館なども検討中だと明らかにした。
これを考慮したようにKTとスマートロボットチェアを共に開発した大同モビリティ・コガロボティクスなどはスマートロボットチェアを「車椅子」ではなく「個人用移動装置(パーソナルモビリティ・PM)」の概念と考えていると強調した。誰もが利用できる機器として製作して市場を拡大するという目標を抱いている。
これについてKTAIロボット事業団のハン・ジェグクチーム長は次のように強調する。
「このような展示空間に来れば座ってゆっくり見たい。とか、誰かが私のそばで1対1の説明をしてほしいという考えが誰もがある。そのため、スマートロボットチェアは障害者だけでなく歩行に助けを求めたり、何か新しいことを追求したりしたい方々にも十分に有用だ。今後展示館だけでなくスマートスピーカー「GiGA Genie」を利用して対話をしながら私の周辺にあるすべてのことを見ながら散歩することもできると思う。まるで電動キックボードに乗るように座って楽に利用できるようにし、使用者層を増やしていくのが私たちの進むべき道」
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