2024 年 12月 24日 (火)
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「年俸+高額滞在費」…済州島「自動運転」スタートアップ

Startup Story ~~ 成功のカギ

ライドフラックス(Ride Flux)

ライドフラックスの集合写真(同社提供)©MONEYTODAY

韓国では、観光地で働いて休暇も楽しむワーケーションを望む人が多くなった。これを支援するスタートアップも多い。

ところで、自分が望む職場が済州島(チェジュド)にあったら、どうだろうか――。社員の80%以上が済州で働く韓国の自動運転ソフトウェアスタートアップ「ライドフラックス(Ride Flux)」が最近、エンジニアの定期採用に乗り出した。

ライドフラックスは、投資の閑散期にも投資金が集中するという、自動運転ソフトウェア(SW)を開発するスタートアップだ。昨年12月、165億ウォン規模のシリーズA投資を受けた。現在、レベル4の水準の自動運転技術の開発に乗り出し、注目されている。特に今年下半期には済州で新しい自動運転サービスの立ち上げを準備している。

ライドフラックスは今回、都心の完全自動運転のためのSWやサービス開発をする人材10人余りを採用する計画だ。自動運転測位SWエンジニア▽認知SWエンジニア▽自動運転計画SWエンジニア▽自動運転制御SWエンジニア――など計10の職務別に新規と経験者を採用する。

ライドフラックス社員の様子(同社提供)©MONEYTODAY

◇カスタマイズされた勤務形態

ライドフラックスは2018年5月設立。現在の役員・社員数は計60人だ。このうち、自動運転SW関連のエンジニアが32人で半分を超える。

新規採用の研究開発エンジニアの初任給は5000万ウォン以上だという。正規職エンジニアにはストックオプションを支給し、年末の個人と組織の目標達成に伴うインセンティブのほか、不定期的にサービスや技術ローンチング成功によるインセンティブも提供する。

本社は済州に置く。未婚エンジニアの社員を中心に済州で勤務する。済州勤務時の引っ越し代はもちろん、家賃と航空運賃を含めた滞在費として月110万ウォンずつ支援する。

ソウル事務所もあるため、10人あまりはソウルで働いている。フレックスタイム制であるうえに週2回在宅勤務が可能で、週末を含め5~6日をソウルで過ごし、平日3日を済州で勤務する社員もいる。

ライドフラックスのある社員は「役員・社員のなかで3家族が済州に暮らしている。そのなかには夫婦が一緒に仕事をしている。夫婦ともエンジニアだが、妻が先に入社して、後に夫も推薦で入社し、一緒に済州で暮らしている」と話した。

◇役職がなく、呼称は「〇〇様」

ライドフラックスの企業文化のなかで注目されるのは、役職と昇進体系のない水平文化だ。代表と副代表、最高技術責任者(CTO)らCレベル役員のほかに役職がない。リーダーはプロジェクトごとに能力のあるチームメンバーが務める。

役職がないので呼称は「〇〇様」だ。パク・ジュンヒ(朴重熙)代表も、ライドフラックスでは「パク・ジュンヒ様」と呼ばれている。会社関係者は「設立初期から役員の方々が先に〇〇様と呼んでいたので、自然にそうなった。ただ、社内の夫婦で同い年の場合、会社の外で『様』を付けず、会社の中では『様』を付けて呼ぶため、照れくさく感じるようではある」と笑った。

◇社内ミシュラン「美食会」

フレックスタイム、自由に休暇を取るなどの自律的な文化を尊重しながら、責任と協働を強調する。評価よりは成長のための激励などのフィードバックを強調している。創業から現在まで、正規職エンジニアの退社率が年平均1%未満であるのが会社の自慢だ。

重要なことでなければ文書作成、手続き、報告はできるだけ省略する。例えば、休暇のために休暇申請書を書いて報告する手続きがない。必要な事務用品があれば法人カードで購入した後、共有ファイルに記録すれば良い。法的な記録が必要な出産や育児休暇などの文書だけを作成すれば良い。

社員のコミュニケーションと協働のために、グルメツアーをする社内ミシュラン「美食会」も運営する。毎月、会社で任意にグループを組み、昼食時に、1人4万ウォンほどを使って希望するグルメ店で会食し、食べ物の写真と評価を書く。こうした集まった美食会推薦のグルメ店はソウル5カ所、済州45カ所になる。

福祉としては、コンビニレベルの食べ放題おやつや飲み物が提供されるおやつバーと、マッサージチェアが備えられた休憩ラウンジがある。有給休暇以外に追加で夏休み5日を使うことができる。このほか、キャリア成長のための教育費、カンファレンスやセミナー参加費、図書購入費なども支援している。

©MONEYTODAY

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