
韓国京畿道抱川市で発生した空軍戦闘機による誤爆事故で、被害者に対する国家補償は、抱川市と行政安全省による被害規模の確定後、空軍の「地区賠償審議会」を通じて実施される見通しとなった。
事故は今月6日午前10時4分ごろ、京畿道抱川で実施されたKF-16戦闘機2機による火力実射訓練中に発生した。Mk-82(マーク82)爆弾8発が誤って、本来の射撃場から南へ約9~10キロ離れた地点に投下された。爆弾は近隣の陸軍部隊のグラウンド、教会、農地、道路などに落下、爆発した。
抱川市は今月18日までに住民からの被害申請を受け付け、19日から21日まで行政安全省と共同で被害規模を調査する。その後、24日までに行政安全省が復旧計画を策定し、国防省と空軍が審議を経て予算を確保し、補償金を支給する段取りだ。
軍当局も被害状況を正確に把握するため、国防省法務管理官室と空軍本部、第5軍団法務チームで構成された現場対応チームを派遣し、抱川市とは別に被害事例の調査と受付を進めている。これらの調査結果は、空軍本部の地区賠償審議会でまず審議される。
補償金額が5000万ウォン未満の場合は空軍本部が直接支給し、5000万ウォン以上の場合は国防省の特別審議会に回送され、追加で審議される。なお、9日に政府が発表した「特別災害地域」指定による復旧費支援や健康保険料、電気料金の減免措置は、この手続きとは別に実施される。
補償金の算定において、災害支援金など自治体による支援を含めるか、支給基準を個人単位とするか世帯単位とするか、また予算編成の方法については、現在は住民からの被害受付段階にあるため、具体的には検討されていない。
11日現在、誤爆事故による負傷者は計38人に上る。国防省は10日時点で民間人15人、軍人14人の計29人と発表していたが、その後、民間人の負傷者が9人増えた。被災者は25人(13世帯)で、現在は近隣のコンドミニアムやモーテルなどに滞在している。
これまでに確認された財産被害は166件で、このうち建物被害は163件。全壊は2件、窓ガラス破損など軽微な被害が161件に及ぶ。その他3件は車両被害だ。抱川市は「小規模被害については復旧作業を進めているが、大規模被害については精密な安全診断を実施した上で、軍当局と復旧方法を協議する」との方針を示している。
国家賠償法などによれば、戦時や実戦ではなく、軍事訓練中の誤操作による被害はすべて軍の賠償対象となる。事故直後、空軍は「誤爆事故で大きな被害を受けた住民が迅速に補償を受けられるよう、抱川市や国防省と積極的に協力する」と明言していた。
ただし、今回の事故は韓国空軍史上初めてとなる民家への誤爆であり、前例がない。そのため、補償基準の策定には時間を要する可能性がある。このため、抱川市など地方自治体が先に補償金を支給し、その後に国防省が関連予算を編成して対応する案も取り沙汰されている。
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