韓国で若年層の就職難が続く中、安定した職が得られないMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の中には、起業を選ぶ動きが増えている。ただ、起業してもその後の維持が難しく、見せかけの支援よりも「定着支援」が必要だとの声が上がっている。
統計庁によると、今年9月の青年層(20~30代)の就業者数は前年同月比で23カ月連続減少。特に6カ月以上職に就けない長期失業者のうち、5人中3人が20~30代を占める。雇用が見つからない現状から、就職を諦める「休止状態」の若年層も増加している。
こうした就職難に直面しつつも、20代で起業を選ぶ若者が増加している。2023年の29歳以下の事業者数は2020年比で15.3%増加した。実際、フランチャイズ展示会などの起業関連イベントにも若年層の来場者が多い。
起業を選んだ多くは「収入面での可能性」を理由に挙げている。だが、現実には事業を安定して維持するという厳しさもある。過去3年間、デザートカフェを運営したある25歳の若者は、来客数が少なく昨年末に廃業を決断した。起業後の存続は難しく、「良い職に就くより成功率が低い」と感じたという。
昨年、廃業した自営業者のうち20~30代が占める割合は34.6%に上る。こうした状況に対し専門家は「短命に終わりがちな若年層の起業に対しては、現実的な定着支援が必要だ」と指摘している。
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