2026 年 2月 16日 (月)
ホーム政治「少女像撤去」求めるデモ、4年3カ月で停止…大統領SNSに動かされた韓国警察

「少女像撤去」求めるデモ、4年3カ月で停止…大統領SNSに動かされた韓国警察 [韓国記者コラム]

先月7日、ソウル市鍾路区中学洞の旧日本大使館前にある平和の少女像の周辺で「反日は差別であり憎悪だ」と書かれたプラカードを掲げる関係者(c)news1

「ユナ(筆者の名前)、あしたはここに出勤して」。記者見習いだった2021年11月、先輩の指示でソウル市鍾路区の「平和の少女像」前に初めて向かった。当時は新型コロナウイルス対策による集会人数制限が緩和され、保守系団体「自由連帯」と進歩系団体「反日行動」が“集会場所の先取り”を巡って対立していた時期だった。コロナ禍が収束に向かう中、保守団体による“慰安婦侮辱デモ”も本格化していた。

驚くべきことに、極右団体による“慰安婦侮辱デモ”は2026年2月まで続いた。毎週水曜日、旧日本大使館前で開かれる市民団体「正義記憶連帯」の水曜集会は、静まることがなかった。わずか100メートル離れた場所では市民団体「慰安婦法廃止国民行動」が「慰安婦はでっち上げだ」と叫び、少女像撤去を求める集会を開いていた。

だが今週水曜日、そのデモは開かれなかった。実に4年3カ月ぶりだ。イ・ジェミョン(李在明)大統領が先月6日、X(旧ツイッター)でデモを「正気を失った死者名誉毀損」と批判してから1カ月後、キム・ビョンホン(金炳憲)代表が街頭デモをやめると表明したためだ。

キム・ビョンホン代表は、大統領がXで公然と批判した後、自身に対する警察の捜査が本格化し、圧力を感じたと説明した。7日に自身のフェイスブックで「大統領がその強大な地位を利用して一市民に過ぎない私を攻撃し、警察も私の活動を弾圧している」と記した。

実際、警察は大統領の投稿翌日、瑞草警察署を集中捜査官署に指定し、関連事件を移管するなど動きを強めた。キム代表の自宅を家宅捜索し、容疑者としての取り調べも進めた。

捜査開始から1カ月でキム代表が白旗を上げたと知り、安堵よりも「なぜ今なのか」という苦さが先に立った。

大統領のX投稿がデモを止めたこと自体は評価できる。だが見方を変えれば、警察は4年3カ月間できたはずの捜査を先送りし、大統領の投稿をきっかけにようやく本腰を入れたようにも映る。

現場で会った「正義記憶連帯」の関係者らは、いまなお警察捜査を全面的には信頼していない。2022年に提出した告発の進捗すら知らされていないという。

もちろん、死者名誉毀損や器物損壊の容疑を適用して主催者を立件したり、集会を制限したりするのは現行法上容易ではない。少女像への行為は「個人」ではなく「像」に向けられたものであり、ヘイト発言も「特定個人」ではなく「慰安婦」という「集団」に向けられているため、特定性の立証が難しいという警察側の事情もある。

それでも批判が避けられないのは、政権の意思によって捜査の速度が左右されるかのように見えるからだ。大統領がSNSに数行書けば集中捜査官署を指定できる事案なら、それ以前にも「厳正な捜査」に踏み出せたはずだ。大統領が何を言おうと、言うまいと、警察は迅速かつ徹底して捜査する――そうした信頼を国民に示さなければならない。

警察の捜査は単に「重い処罰」を目指すものではない。どの方向に、どの強度で捜査を進めるのかが、「この問題を看過しない」というメッセージそのものとなる。そしてそのメッセージが、社会の不正を止める力にもなる。

元慰安婦のイ・ヨンス(李容洙)さんは今年98歳。慰安婦の生存者は全員が80歳を超えた。「4年3カ月」という年月は、誰かにとってあまりにも長い時間だ。警察捜査は、こうしたデモに限らず、多くの社会的不正を止め得る。だからこそ願う。警察の原動力が、大統領のXを超える日が来ることを。【news1 シン・ユナ記者】

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