2025 年 9月 3日 (水)
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「寺の資金か、個人資産か」…韓国・最高裁が問う僧侶の2億ウォン横領事件の行方

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ソウル市内の寺院で、亡くなった住職の個人口座から数億ウォン(1ウォン=約0.11円)を引き出し、後任住職に渡した僧侶について、韓国大法院(最高裁)が横領罪の成立を認める判断を示した。

法曹関係者によると、大法院第3部は横領と私文書偽造などの罪で起訴され、2審で無罪となった僧侶に対する判決を破棄し、ソウル北部地裁に差し戻した。

僧侶はソウル市中浪区(チュンナング)の寺院の事務責任者で、住職が2022年3月に新型コロナで死亡した際、相続人の同意なく個人口座から2億5000万ウォンを引き出して後任住職に渡したとされる。

前住職の相続人は葬儀費用を除いた残額を口座に戻すよう求めたが、後任住職は拒否。相続人から告訴されてから葬儀費用などを除いた2億1000万ウォンを寺院名義の口座に移した。

僧侶と後任住職は裁判で「資金は前住職の個人財産ではなく寺の運営資金であり、横領の意図はない」と主張。1審は、前住職が寺院の建物や敷地を個人名義で所有していたことなどを理由に口座の金を前住職の個人財産と認定し、横領罪で2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

一方、2審は僧侶について、前住職の口座の管理権限が前住職の死亡で終了しているため相続人の間に委託関係はないとして横領罪は成立しないと判断、無罪とした。

これに対して大法院は「僧侶は信義誠実の原則に基づき、前住職の口座資金を相続人のために保管すべき地位にあったと見る余地が十分にある」と指摘。「原審は横領罪の委託関係に関する法理を誤解し、必要な審理を尽くさなかった」として審理を差し戻した。

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