
管理体制が比較的整っているとされるソウルの広蔵市場や南大門市場でも、冬場の火災リスクは依然として高い――。22日に両市場を取材すると、各所で電気ストーブが朝から晩まで稼働していた。
南大門市場で15年間、青果店を営むイさん(74)は、電気ストーブの脇に毛布や布団をかけた果物箱を何段にも積み上げていた。「午前6時に店を開けて夜まで立ちっぱなしだと、手がかじかんで耐えられない。火事になれば皆が燃えると分かっているが、まずは寒さをしのぎたい」と打ち明ける。
狭い飲食店の路地は、さらに危うさを増す。太刀魚の煮付け店を切り盛りするキムさん(70)は、通路にガスコンロを出して鍋を温めていた。すぐ隣には紙箱が積まれ、消火器は見当たらない。「ここは通路が狭く、消火器を置く場所もない。火が出ないよう祈りながら商売するしかない」と苦笑した。
消防設備が比較的充実している広蔵市場でも例外ではなかった。各店舗に消火器は備えられているものの、荷物に埋もれて目につかないケースがあった。人通りの多さゆえに、「人」が生む危険も無視できない。
市場の警備員を務めるイさん(65)は「中央通路は消防車が入れるため、備えは比較的整っている」としつつ、「酒を飲んだ人が移動しながら吸うたばこの火が一番怖い。路地ごとに確認するのが主な仕事だ」と語る。
統計も現場の不安を裏付ける。消防庁の国家火災情報システムによると、伝統市場の火災は2021年に53件、2022年に64件へ増加し、2023年は60件に減少したものの、2024年には74件に再び増えた。2025年も同程度で推移し、直近5年間の財産被害額は計109億2406万ウォンに達した。
専門家は、構造的な制約を認めつつも「管理重視」の現実的な対策を訴える。慶一大消防防災学科のイ・ヨンジュ教授は「伝統市場は可燃物の密集度が高く、空間の区切りも難しいため、火の回りが速い。すべての設備を刷新できないなら、電気容量の順守と夜間の火災感知設備の強化が最も現実的だ」と指摘する。
大邱保健大消防安全管理学科のペク・チャンス教授も「伝統市場の火災は、古い電線が熱負荷に耐え切れず溶ける例が多い。たこ足配線を減らし、電線周辺の可燃物管理を徹底するだけでも、危険性は大きく下げられる」と強調した。
(c)NEWSIS

