2026 年 4月 5日 (日)
ホーム社会「容器代を頂くしかありません」苦渋の決断を下す韓国の飲食店主…中東情勢悪化が直撃、高まる悲鳴

「容器代を頂くしかありません」苦渋の決断を下す韓国の飲食店主…中東情勢悪化が直撃、高まる悲鳴

ソウル市内のビニール専門販売店に並ぶ製品(c)news1

中東情勢の緊迫化で石油化学原料の供給が不安定になり、ビニールやプラスチックなど包装資材の価格が急騰している。この影響で、韓国では持ち帰り用容器に別料金を設定する飲食店まで現れ、零細事業者の負担が急速に重くなっている。

ソウル市永登浦区で印刷業「東西文化」を営むキム・ミンジュさん(34)は最近、ジッパーバッグの製造会社から「4月1日以降、供給単価を引き上げる」と通知を受けた。中東戦争の影響で、プラスチックやビニールの原料となる低密度ポリエチレン(LDPE)の価格が1月に比べて約44%上昇したためだという。

仕入れた製品にロゴなどを印刷して納品するキムさんは「副資材が10~20%ずつ値上がりするという通知が相次いでいる」と説明した。そのうえで「製造業者はすぐに価格へ転嫁できず、自社の利益を削って持ちこたえている」と厳しい実情を語った。

関係者によると、1カ月以上続く中東戦争の余波で石油化学原料の供給網が揺らぎ、包装資材を扱う事業者だけでなく、日常的にこうした資材を使う飲食店にも影響が広がっている。

ナフサ価格は、イラン情勢が悪化する前の3月末には1トン当たり640ドル(約10万2048円)だったが、4月1日には1241ドル(約19万7877円)まで上昇し、ほぼ2倍となった。ナフサを分解して生産するエチレンも同じ時期に680ドル(約10万8426円)から1430ドル(約22万7014円)へと倍以上に跳ね上がった。

こうした原料高騰は、日常的に使われるビニール袋やプラスチック容器の価格に直結している。包装用ビニールは1週間で1000枚当たり6万ウォン(約6348円)から11万7000ウォン(約1万2379円)へと倍増し、300個入り容器の価格も3万ウォン台(約3174円台)から5万ウォン台(約5290円台)に上昇したという。

とりわけ配達や持ち帰りに依存する飲食店ほど影響は深刻だ。資材が不足すれば営業に支障が出るため、3月末には在庫確保のため買いだめに動く事業者も相次いだ。

京畿道金浦市でキムチチゲ店を営むキム・ミンギュさん(48)は、値上げ通知を受けて可能な限り在庫を確保したものの、「使い切った後の見通しが立たない」と不安を口にした。「景気低迷とも重なり、非常に厳しい状況だ」と話している。

一部品目では品切れも起きている。釜山市でチキン店を経営する60代の店主は、同業者と共同購入していた配達用ビニール袋について「原材料不足で当面は発注できないとの回答を受けた」と説明した。「今は在庫があるが、供給不安が長引けば対応に苦慮する」と懸念を示した。

食品製造業者の30代男性も「包装用パウチの原料確保のため前金を支払ったが、納品時期は未定のままだ」と述べ、原料調達の難航で納期が遅れていると明かした。

こうした事情から、持ち帰り用容器に別料金を課す飲食店も出てきた。ある韓国料理店の店主は、食べ残しの持ち帰りを希望する客に対し、容器代として500ウォン(約53円)を受け取ることにしたと説明した。店主は「地域での評判が気になるが、やむを得ない判断だ」と語った。

業界団体は、ナフサ価格の上昇と連動した包装資材支援制度の新設や、小規模事業者向けの経営安定バウチャーに包装資材を対象として加えるよう政府に求めている。現場では、急騰するコストへの直接支援を求める声が強まっている。

(c)news1

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