
韓国で「家族の月」5月を迎えても、カーネーションの販売量が菊に及ばない。花屋を営む人々は、新型コロナウイルス感染拡大以降に減少した花の需要が、今もなお回復していないとため息をついている。
韓国農水産食品流通公社(aT)花卉事業センターが提供する「週刊取引動向」によると、先月28日から今月3日までの間に販売されたカーネーションは3万8183束(1束=20本)だった。
これは同期間に販売された菊(4万1518束)よりも3000束以上少ない数字で、カーネーションは切り花全体で、バラ・ガーベラ・菊に次ぐ第4位にとどまった。
韓国では5月8日の「父母の日」直前の週に、カーネーションの販売量が菊を下回ったのは関連統計の集計が始まって以来初めて。2020年に初めてバラに1位の座を譲って以降、下落傾向が続いている。
国内最大の規模を誇るソウル市瑞草区の「良才花市場」を4日に取材したところ、販売業者の多くが不況を肌で感じているという。新型コロナの影響で一時的に落ち込んだ花の需要は、5年が経過した現在も回復していないという。
市場で10年以上商売をしてきた店主は「(販売量の減少は)確実に感じる。キム・ヨンラン法(公務員、学校関係者および報道関係者に対する賄賂や接待を禁止する法律)の施行で一度落ち込み、コロナ以降はさらに減った」と話した。
また、子どもの数が減ったことで、カーネーションを贈る人自体が少なくなったとの指摘も。別の店主は「昔は5~6人の子どもたちが皆で贈っていたが、今は1~2人程度だろう。繁忙期にもかかわらず、お客が本当にいない」と語った。
実際、5月8日の「父母の日」を4日後に控えた4日午前9時30分ごろ、花店が約80店舗入居しているヤンジェ花市場の地下商店街には、客の姿はわずか10人ほどだった。
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