韓国のMBCテレビ時事番組「ストレート」が16日、大統領候補のユン・ソンヨル(尹錫悦)氏の妻、キム・ゴニ(金建希)氏とYouTubeチャンネル「ソウルの声」のイ・ミョンス記者との通話記録の一部を報じた。news1がその一部を整理して伝えた。キム氏の発言は主に、昨年11~12月の通話でのものとされる。
◇セクハラ撲滅運動「#MeToo(私も被害者)」
「Me Tooもムン・ジェイン(文在寅)政権が先に問題にして、それを突き止めようとしたではないのか。どうやって解決しようというのか。人間が生きていくことがあまりにも索漠(さくばく)としている」
元秘書への性暴力の罪に問われた忠清南道元知事、アン・ヒジョン(安熙正)受刑者の問題に触れ、次のように答えた。「正直、アン・ヒジョンがかわいそうだった。私と私の旦那(ユン氏)はアン・ヒジョンの味方だ」
「保守は報酬をちゃんと与える。タダで使ったりすることはない。そのため、ここ(保守)ではMe Tooはあまりない。Me Tooの告発はすべて金を与えないから起きるのではないのか」「お金はないけど、浮気をする。だからそうなるのだ。理解はできる」
◇「身内の中に敵」
2019年9月の法相就任前から不正が持ち上がり、1カ月あまりで辞任に追い込まれたチョ・グク(曺国)氏についても言及した。
「チョ・グクの捜査は、あんなに大展開するほどのことではなかった。ムン政権がチョ・グク捜査を攻撃しすぎたため、検察との闘いになった。早く終わらせなければならない、と言っているのに、YouTubeやユ・シミン(柳時敏=盧武鉉財団理事長)とかが自分の存在感を高めようとたきつけた…。実はチョ・グクの敵は民主党だ」
「(夫が)検事総長になり、大統領候補になるとは夢にも思わなかった。早く検事総長を辞めて、ラクに暮らしたかった。ムン政権が(ユン氏を)育ててくれたのだ」
「パク・クネ(朴槿恵・前大統領)を弾劾したのは進歩ではなく保守だ。愚かなことに進歩、文在寅が弾劾したと思われているが、そうじゃない。保守内部で弾劾したものだ」
「政治というのは、いつも身内に敵がいることを知らなければならない」
◇「うまくやれば1億ウォン」
キム氏はイ・ミョンス記者に陣営に来るよう誘ったという。
「うちのチームに来てよ。私のことをあまり悪く思わずに私を助けてほしい。正直言って、私の気持ちとしては陣営に来てほしい」
イ・ミョンス記者が、陣営に行けばいくらもらえるのか、と尋ねた。
「わからない。相談してみなければならない。ミョンスがやった分だけあげないと。うまくやれば、1億ウォンもらえる」
イ・ミョンス記者が選挙の戦い方について提案した際、そのアイデアを陣営に反映させるという意思も示した。
「メールででも送ってほしい。私がまとめて、われわれの陣営に提案する」
◇プライバシーに関する報道にも積極的に説明
キム氏は、ソウル・江南(カンナム)の高級ナイトクラブで、「ジュリー」の芸名でホステスとして働いていた。その際、ユン氏の先輩検事と同棲し、のちにユン氏と結婚した――という報じられたことがある。
イ・ミョンス記者が「『ジュリーを見た』と実名で証言した人物にメディアがインタビューする計画がある」と述べると、キム氏は次のように答えた。
「インタビューすれば、告訴する。監獄に行くことになるだろう。つじつまが合わないことが多すぎる。なぜなら私は『ジュリー』なんかになったことがない。だからインタビューするがいい。発言の間違いが明らかになるだろう」
「ナイトクラブなんか行きたくない性格だ。うるさい場所を嫌うのは、私が霊的な人間だから。そんな時間があれば、道士(道教の宗教人)たちと一緒に『人生とは何か』と話すほうがいい。1日中、クラシックばかり流している」
ユン氏の先輩検事と同棲説については一蹴した。
「まったくねえ。イ・ミョンスが私のことを知ったら、そんなこと、言えないはずだ」
イ・ミョンス記者が、先輩検事とチェコを旅行した際の写真が情報提供されていると伝えた。
「みんなでパッケージ旅行で遊びに行った。みんなと一緒に撮った写真だ。(先輩検事の)奥さんもみんな知っている。奥さんも行こうとしたが、日程が合わなくて行けず、仕方なく3人で行った」
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