韓国の人事革新処は21日、同国で職業としての公務員の人気が低下している主な理由として「低い給与」が挙げられるという調査結果を発表した。
同処によると、2024年の9級公務員試験の競争倍率は21.8倍で、32年ぶりの最低記録となった。また、筆記試験の受験率も75.8%にとどまり、3年ぶりの最低水準だった。
調査では国民3000人、公務員2万7000人の計約3万人を対象に、「国民と公務員が考える公務員社会」や「人事革新処が今後注力すべき業務」について尋ねた。
公務員試験の受験者が減少している理由(複数回答)について、国民の62.9%、公務員の88.3%が「民間に比べて低い給与」を第1位に挙げた。
第2位には「悪質な市民からの苦情によるストレス」が選ばれた(国民53.7%、公務員39.8%)。他にも、縦割りの組織文化、公務員に対する社会的評価の低下、過重な業務負担などが理由として挙がった。
公務員の士気を高めるために重要だと思う施策として、国民の53.5%、公務員の87.9%が「給与の引き上げなど待遇の改善」を挙げた。続いて、組織文化の改善、公正な昇進と成果に基づく報酬、勤務環境や福利厚生の改善が挙がった。
また、今後10年間で人事革新処が重点的に推進すべき業務については、国民・公務員ともに「安心して働けるための災害予防体制の構築」が最も重要だと答えた。
同処はこの日、設立10周年を記念して韓国人事行政学会と共同でセミナーを開催した。人事革新処のヨン・ウォンジョン所長は「今後も国民と密接にコミュニケーションを取りながら、公務員社会のリーダーとして公務員制度改革に全力を尽くしていく」と述べた。
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