
196人――5年間外傷で救命救急室を訪れたが、結局は死亡した子どもたちの数だ。24時間以内に救急救命室に到着したが、手術をする医師がいなかった。重症小児外傷患者を専門的に見る小児外科専門医は、全国36の病院に46人しかいない。小児外科専門医は2021年、新規に配置された人員が全くなく、最大の危機を迎えた。昨年と今年の合格者数がそれぞれ3人で回復傾向を見せたものの、小児外科専門医の数は少なくとも今より4倍にすべきだという研究もあり、医師不足であることには依然変わりがない。
国立中央医療院の資料によると、昨年救急救命室を訪れた1~9歳の小児外傷患者のうち24人が最終的に死亡した。救急救命室を訪れて診療を受けて、あるいは入院後に死亡したのだ。2018年から今年3月までの約5年間、このように死亡した1~9歳の子どもが196人だ。
昨年は「急性重症」で入院した1~9歳の子ども21人が死亡した。2018年から今年3月まで164人が死亡した。「急性重症外傷」とは交通事故や落下のような原因で身体に損傷が発生し、24時間以内に救急救命室に移送されたが、意識状態や血圧・呼吸などが異常なほど深刻な怪我をした場合をいう。
小児外傷患者の主な死亡原因は、救急救命室ゴールデンタイム(適正な治療のタイミング)を逃したり、手術する医師がいなかったりしたことだ。中央応急医療センターの「外傷登録システム」によると、小児重症外傷患者4人に1人だけがゴールデンタイム内に救急室に移送される。
「小児外科専門医」は全国36の病院に46人しかいない。小児外科専門医は小児と青少年の手術を専門的に担う外科医だ。主に大規模病院で先天性奇形の新生児手術を担当したり、小児腫瘍除去などを担当する。事故で重傷を負った小児の外傷手術もこの医師らの専門領域だ。
しかし、数が少なすぎて医師たちは実質的に小児外傷患者の手術を担当できない。サムスンソウル病院小児外科のソ・ジョンミン教授は「小児外科専門医が外傷までカバーする能力がない。全国の46人を複数の病院に分けても数人に満たない。圏域外傷センターなどに小児だけを専門とする小児外科専門医を置くことはできない」と述べた。
2021年に小児外科の専門医試験を受けた人は「0人」だった。受験した人がいないため、合格者数も0人だった。衝撃的な結果に当時、大韓外科学会が懸念を示した。
2022年と2023年の小児外科分科専門医合格者数はそれぞれ3人で例年のレベルに回復した。ソ・ジョンミン氏は「昨年と今年、3人ずつ出てきたので、ひとまず命脈は保てた」と説明している。
(c)MONEYTODAY