
かつて子どもたちのものと考えられていたキャラクターが、韓国で再びMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)の心をつかんでいる。スヌーピー、ポケットモンスター、ハローキティなど“オールドキャラ”が、今や百貨店やカフェ、SNSで消費を呼び起こす主役となっている。
これは単なる懐古趣味にとどまらない。MZ世代は「ニュートロ(New+Retro)」文化の中心として、過去の記憶や体験を新しい形で消費する傾向がある。幼少期の愛着が詰まったキャラクターにもう一度出会いたいという欲求がグッズ購入に直結し、これが売り上げやブランド価値の再評価へとつながっているのだ。
実際、流通業界は各所で人気キャラクターIPとの協業に乗り出している。
ロッテグループは4月末からソウル・蚕室で「ポケモンタウン2025 with LOTTE」ポップアップイベントを開催。大型フィギュアや体験型展示が、子どもだけでなくMZ世代の関心も集めている。
スターバックスコリアは先月、日本の人気キャラクター・ハローキティとコラボした限定MD(企画商品)7種を発売。ポーチ、タンブラー、キーホルダーなどは発売と同時に品切れが続出した。親しみあるキャラクターと高級ブランドの融合が、熱狂的な反応を呼んだ。
新世界百貨店は「ピーナッツ(Peanuts)」75周年を記念し、スヌーピーやチャーリーブラウンを前面に押し出したポップアップストアを運営。センタムシティ店や江南店など主要店舗で限定グッズと展示を展開し、MZ世代の“滞在時間”を戦略的に延ばしている。
業界関係者は「かつては俳優やアイドルによるマーケティングが主流だったが、スキャンダルなどのリスクが伴うため、代わりにキャラクターとの協業に目を向ける企業が増えている。オールドキャラクターは世代を越える共感を生み出し、長期的に活用可能なIPとして再注目されている」と述べた。
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