
ミャンマーで発生した大地震によりタイ・バンコクでも建物が大きく揺れた。そんななか、一人の韓国人男性が、崩れかけた高層ビル間の連絡橋を命がけで飛び越え、家族のもとへ向かった姿が映像に捉えられ、大きな話題となっている。
タイの「タイラスTV」やシンガポールの日刊紙「ストレーツ・タイムズ」などによると、3月28日にバンコク・トンロー地区の高級レジデンス「パーク・オリジン・トンロー」の連絡橋が崩壊する瞬間の映像がSNS上に拡散された。
動画には、地震によって建物をつなぐ連絡橋に亀裂が入り、建物同士が離れていく様子と、その間を男性が命がけで飛び越える様子が映っていた。タイメディアが調査した結果、この勇敢な男性は同レジデンスに住む韓国人・クォン・ヨンジュンさん(38)であることが判明した。

映像に映っていた人物が自分の夫であると明かしたのは、タイでインフルエンサーとして活動するクォンさんの妻バオユリさんだった。
当時、クォンさんは52階のジムで運動中だった。一方、妻と1歳の娘は向かい側の30階の部屋にいた。地震で連絡橋に亀裂が入り、今にも崩れそうになる中、クォンさんは「妻と娘に会わなければ」と決意。全力疾走で連絡橋の裂け目を飛び越え、なんとか隣の建物にたどり着いた。その直後、橋は完全に崩壊し、がれきが地上へと落ちていった。
クォンさんは、すでに妻と娘が避難していたことを知り、40階以上の階段を一気に下りて建物の外で家族と再会した。
「韓国ではこうした地震を経験したことがなかった。橋を渡ろうとした瞬間、目の前で床が盛り上がった。子どもが心配で、妻と娘を守らなければという思いしかなかった」
「橋を渡り始めたときはまだ完全に崩れていなかったが、後ろから誰かに強く押されるような感覚があり、コンクリートが砕ける音も聞こえた。ただ家族のもとへ行くという一心で、後ろは振り返らず走り抜けた」

クォンさんはこう振り返った。
幸い、クォンさんは軽い擦り傷だけで大きなケガはなかった。ただ、「あの瞬間の映像は二度と見たくない」と語っている。
クォンさん一家は現在、バンコクの別の地域に避難し、妻の実家で暮らしているという。
タイ主要メディアは、危機の中で家族を守ろうと勇気を見せたクォンさんを「国民的夫」と称賛している。
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