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韓国で多数が性暴力の犠牲となった「牧師部屋事件」の被害者の60%が男性であることが明らかになった。これまでのデジタル性犯罪の被害者は主に女性だったが、今回では異なる傾向が見られる。しかし、被害者支援の窓口である「女性緊急電話(1366)」を利用する男性は依然として少数にとどまっている。
牧師部屋事件は韓国で発生した大規模なサイバー性搾取。首謀者とみられる容疑者は2020年5月から2025年1月まで、テレグラム上でピラミッド型のサイバー犯罪組織を運営し、自らを「牧師」と称して性暴力を繰り返していた。被害者は234人に上るとされる。
女性家族省の統計によると、2023年のデジタル性犯罪被害者1万305人のうち、男性は2877人(28%)で、年々増加傾向にある。家庭内暴力や性暴力の被害者にも男性が含まれるが、「1366」の利用者のうち男性は6.3%に過ぎない。
名称に「女性」を冠していることが、男性被害者の利用を阻んでいるとの指摘があり、国会では「暴力緊急電話」への改称が提案された。
しかし、女性家族省は賛否が分かれるとして慎重な立場を示している。今後、議論を深めて被害者支援のあり方を検討する方針だ。
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