
韓国の大学修学能力試験(修能)教材を違法に共有する「ユビンアーカイブ」の運営者が2025年9月に検挙され閉鎖されたものの、その後「ユビンアーカイブMPGA」や「ユビンアーカイブ season 4」など新たな共有部屋が次々に生まれ、依然として活発に活動している。10万人を超える購読者が集まり、数千件の教材ファイルが違法にやり取りされている。
ユビンアーカイブは2023年7月から大手学習塾の有料教材や模擬試験資料、ロースクール教材などを違法に複製・配布し、延べ33万人に1万6000件以上を流通させ著作権を侵害したとされる。新たに登場した共有部屋も、問題集や解答集などを大量に公開しており、10月1日現在、「ユビンアーカイブMPGA」には10万3000人余りが参加し約9533件、「season 4」には6万3000人余りが参加し約5846件が共有されている。
学生が違法共有に流れる背景には教材費の高さがある。ある受験生は「月に教材費だけで70万~100万ウォンかかる」と明かし、無料で配布される共有部屋を利用したと語った。別の学生も「大手学習街・大峙洞では共有部屋を知らない人はいない」と証言した。地方在住者や経済的に余裕のない学生にとって、現場授業でしか手に入らない教材を共有部屋を通じて得ることができる点も大きな魅力となっている。
ユビンアーカイブの運営者は検挙前、メディアとの匿名インタビューで「教育格差を埋める正義の行為」と主張していた。後続の「ユビンアーカイブMPGA」も「教育格差の解消」を掲げている。しかし、利用者であっても処罰対象になる可能性は否定できない。
韓国著作権委員会のパク・エラン弁護士は「アップロードは送信、ダウンロードは複製であり、いずれも著作権侵害だ」と指摘する。一方で、利用目的や方法によっては「私的複製」や「公正利用」に当たる余地もあるとしながらも、ユビンアーカイブの運営者は有料共有部屋を設け利益を得ていたことが判明している。
中央大学ロースクールのイ・ギュホ教授も「著作権侵害は明白だが、根底には著作権教育の不足がある」とし、「共有部屋は外国系SNSを利用した『流動型』で運営されることが多く、現行法の対応速度が追いついていない」と指摘した。その上で、著作権法改正による迅速対応や文化体育観光省による特別司法警察の増員などが解決策になり得ると述べた。
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