2025 年 7月 10日 (木)
ホーム社会「売ってはならない宝の山」…韓国漁民を悩ませるマグロ漁獲枠のジレンマ

「売ってはならない宝の山」…韓国漁民を悩ませるマグロ漁獲枠のジレンマ

2025年7月8日、慶尚北道・盈徳郡の江口港で、沖合の定置網にかかった大物マグロの出荷準備を進める漁民(c)news1

韓国慶尚北道盈徳郡の江口港(カングハン)沖で、大型のマグロが定置網に大量にかかり、漁民らを驚かせている。8日未明、江口港から約20km沖合に設置された定置網に、体重100kgを超えるマグロ約1300匹が一度に捕獲された。

この大漁は、ある漁船の船長らによって確認されたもので、2日前の6日にも同規模の大物マグロ約70匹が捕獲されていた。

ところが、この日捕れたマグロのほとんどは、韓国国内の漁獲量クォーター制度により、家畜用飼料として処分される。

盈徳郡に割り当てられた2025年のマグロ漁獲枠はわずか35トンで、昨年の慶尚北道全体でも110トンにとどまる。これを超える分は市場に出荷できず、漁民の手を離れて処分される運命にある。

ある漁民は「国内では10kg未満の小型マグロが多く水揚げされていたが、最近では大物も頻繁にかかるようになっている。小さいマグロは値段が安いが、今日のような大物は高く売れる。それなのに廃棄しなければならないのは本当に悔しい」と語った。

盈徳郡関係者によると、この突然の大漁は、餌となるサバなどを追ってマグロが日本海側に流入したと見られる。

この日捕れたマグロの一部は、1kgあたり4000~5000ウォン(約424~530円)で競売にかけられた。今年2月には、314kgの超大型マグロが1050万ウォン(約111万3000円)で取引された例もある。漁民たちは、こうした高値が期待できる漁獲が廃棄される現状に、不満と無力感を募らせている。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular