ソウルの空の玄関口、金浦(キムポ)国際空港(ソウル市江西区果海洞)と、韓国京畿道(キョンギド)金浦市の陽村駅(ヤンチョン)を結ぶ金浦都市鉄道(23.67キロ、通称・金浦ゴールドライン)。猛烈な混雑が問題視され、市当局は同じコースのバスを増便して客の分散を図っている。だが、そのバスも渋滞に巻き込まれることが多く、急ぎの際には結局“地獄鉄”に戻らざるを得ない状況だ。
現場の様子をMONEYTODAY記者が取材した。
先月26日の出勤時間帯。陽村―金浦空港駅の中間地点付近にある傑浦北辺(コルポブクピョン)駅バス停周辺には「金浦空港駅行き5分間隔、70番バスをお見逃しなく」などの垂れ幕があちこちに掲げられていた。この付近から、混雑する午前6時45分~7時45分、70番バスが5分間隔で運行している。
記者は午前7時20分ごろ、傑浦北辺駅停留所からバスに乗り込む。最初は乗客は3人だけ。次の豊舞(プンム)駅では16人が乗った。このころから道路は出勤の車で渋滞し始めた。同7時40分、高村(コチョン)駅では18人が乗り、空席はなくなったが、開花(ケファ)駅で27人が一気に降りた。
傑浦北辺駅から金浦空港駅まで4駅を移動するのに23分。ゴールドラインなら16分の距離だ。金浦からソウルに向かう国道48号線の渋滞が激しく、時間がかかった。
30代男性は「早く家を出ればバスなら座ることができる。でも、道が混んで遅れるのではないかといつも不安だ。早く出る際にはバス、時間が差し迫っていれば鉄道を利用する」と話した。
あまりの混みようから“地獄鉄”と呼ばれるゴールドラインの乗客を分散するため、金浦市は先月24日、一部区間において、ゴールドラインと同じコースのバスを増便している。
だが、乗客はバス増便を知っていても、時間に追われれば鉄道を選ぶ。30代女性は「遅れないようにするためやむを得ず鉄道を使っている。バスを100台増設されても『地獄鉄』に乗るしかない」と述べ、別の対策を求めている。
ゴールドラインの混雑は依然、続いている。金浦空港駅に到着した列車は乗客でいっぱい。車内は足の踏み場もなく、「長時間いたら大変なことになる」と危惧する声も漏れる。実際、先月11日にはゴールドラインで3人が失神し、24日にも金浦空港駅で降りた20代女性がめまいを訴えて応急処置を受けている。
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